ねぶたの家ワ・ラッセ入場、最多35万人 23年度、観光需要回復、外国人増

大勢の観光客らでにぎわうねぶたミュージアム=2023年8月15日(ワ・ラッセ提供)

 青森市文化観光交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」の「ねぶたミュージアム」の入場者数が2023年度、過去最多の35万2266人を記録し、初めて30万人を突破した。新型コロナウイルス禍からの観光需要回復やそれに伴う外国人観光客の増加に加え、冬の閑散期にJR東日本が販売した企画切符の効果もあり、入場者数が大幅に増えた。

 同施設によると、入場者数はオープン翌年度の11年度がこれまでの最多の27万727人。その後は東日本大震災の影響で12、13年度と10万人台だった。14~19年度は20万人台で推移したが、新型コロナの影響で20年度は10万人を割り込み、21年度も約10万5千人と低迷。22年度は回復し、約24万人となった。

 22、23年度は国内の観光客に加え、台湾を筆頭に訪日外国人も増加。22年度からはコロナ前に見られなかった韓国からの団体客も訪れるようになったという。

 ワ・ラッセは23年、インバウンド(訪日客)メディアの口コミデータを基にした「インバウンド人気観光地ランキング」の東北地区で1位に選ばれている。

 例年は冬期間の2~3月が閑散期となるが、23年度はJR東日本が2月14日から1カ月間、平日限定でエリア内を1万円で乗り放題の企画切符を販売。この効果もあり、例年だと200~300人の日もあった平日に千人を超す日が続出した。3月8日には1772人が来場した。

 同施設の六角正人館長は「日本人も外国人も来場者が多い1年だった。まさにV字回復。駅前という立地も生きて、特に閑散期にあったJRの企画切符の効果が大きかった。物販も好調だったので、本当にありがたい」と話し、「24年度はクルーズ船の県内寄港が過去最多となる予定で、24年度も多くの人に日本の文化、青森の文化を楽しんでほしい」と期待した。

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