県教員採用試験から適性検査、小論文廃止 青森県教委、受験者増へ負担軽減

 青森県教育委員会は5日、本年度実施の教員採用試験から、2次試験の適性検査と小論文試験を取りやめることを明らかにした。人物特性の評価に重点を置き、受験者の負担軽減にもつなげる。小学校の免許状を持っていない幼稚園教諭経験者や中学校教諭免許保有者の受験も可能にする。昨年度の小学校教員採用試験の最終倍率(競争率)は1.1倍と低迷しており、県教委は教員採用試験の実施内容や日程などを一部見直し、教員確保と未配置問題解消へ本腰を入れる。

 青森県教員採用試験ではこれまで、人物評価の資料にする目的で適性検査と面接試験を行ってきた。しかし民間が行っている同検査の判定に時間を要し面接試験の評価の際に検査の判定結果を確認できず、個々に活用する状況だったという。本年度実施分からは人物特性の評価も含めた面接試験を行い、集団討論の時間を10分延長し、30分とする。適性検査で確認していた内容も含めて評価する。

 小論文試験は読解力・思考力・論述力を問う試験として実施してきたが、教員としての適性が高い人を採用するため、人物評価に重点を置いた選考に改め、個人面接の時間を延長、小論文で評価していた内容も含めて評価するという。

 2次試験は昨年度まで2日間の日程だったが、本年度実施分からは実技試験がない人は1日で終了する見込み。県教委教職員課の担当者は「受験者の負担軽減で受験者数増加につながってくれたら」と語り、適性検査の廃止で合格発表日を早められる可能性にも言及した。

 受験者確保策として、幼稚園教諭経験者(3年以上)と中学校教諭普通免許状保有者を対象に、小学校と特別支援学校小学部を受験する場合に限り、当該普通免許状がなくても受験できるようにする。また1次・2次とも試験日程を早めるほか、インターネット上で願書が出せるようにする。

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