時速6キロ以上で歩道は走れない 時速20キロ以上は原付バイクと同じで免許が必要 利用者急増の電動キックボード あなたはルールを知っていますか?

利用者が急増している電動キックボード。街で見かける機会も増えてきましたが、交通違反や事故も増えてきています。あらためて交通ルールなどを調べました。

広島市の中心部でも見かける機会も増えてきた電動キックボード。シェアリングサービス「LUUP」が広島市で事業を開始して8か月。貸し出し・返却する場所はおよそ120か所にも上ります。

利用者たち
「バランスがちょっとだけ取りにくいけど、あと車道を走らないといけないというルールがあると思うので、そのあたりは自転車のほうがいいけど、新感覚で楽しめるかなと思っています」

「最初はちょっと怖かったんですけど、そんな車くらいの速いスピードは出ない乗り物なので、慣れたら操作もしやすかったです」

LUUPの利用に必要なアプリのダウンロード数は100万を超えています。記者も初めて体験してみました。

隈元大樹 記者
「加速がけっこうスムーズですね。地面に段差があるとなかなか怖いですが、バランスも保てる感じで進んでいきます。操作も簡単で、ちょっとした移動にはすごく便利だと思いました」

初心者でも簡単に楽しめる電動キックボード。一部の機種では運転免許が必要ですが、LUUPなどは16歳以上であれば、免許を持たなくても乗ることができます。その手軽さから仕事や観光など幅広く利用されています。

しかし、利用者の急増に伴い、事故や交通違反も全国的に増えてきています。去年12月、長野県では電動キックボードに乗った女性が信号を無視して交差点に進入、バスにはねられて死亡する事故が起こりました。

ことし2月には、愛知県で電動キックボードに乗った男性が歩行者をはねたうえ逃走する事故も起こりました。歩行者の男性は大けがをしました。広島市中心部の本通り商店街でも、スマホを操作しながら電動キックボードを運転する人の姿も見られました。

県警は対策室を発足 交通ルールを周知し取り締まり活動を強化

広島県警 大木晋 交通部長
「 ”自転車小型モビリティ対策室” を発足させました。新たな小型モビリティに対する対策というのが、喫緊の課題となっているというところでございます」

広島県警では、利用者が増えてきている電動キックボードなどに対応するため、「自転車小型モビリティ対策室」を新たに発足させました。

自転車小型モビリティ対策室 宮庄律和 室長
「正しく乗っていただくために交通ルールの周知と、街頭での指導取り締まり活動を強化していくという目的で設置したものでございます」

広島県内では、去年7月1日から先月末までで電動キックボードの交通違反は6件。そのうち1件は、禁止されている “2人乗り” で走行したものです。残りの5件は、車道を走る必要があるのに歩道を走行した “通行区分違反” です。

LUUPなどの電動キックボードは、最高速度が6kmに制限されるモードと、それ以上の速度が出せる2つのモードに切り替えができます。6km以上にスピードが出る状態で歩道を走ると、通行区分違反になります。

自転車小型モビリティ対策室 宮庄律和 室長
「まずは交通ルールをしっかりとまだ理解されていない県民の方もたくさんおられると思いますので、広報啓発をしていきたいと思っております」

少し遠い場所へも楽に移動ができる電動キックボード。利用者1人ひとりがルールを守って安全に使用することが求められます。

電動キックボードのルールをおさらい

電動キックボードの主なルールです。

■年齢について
16歳未満の人はいかなる種類の電動キックボードも乗ることができません。損保ジャパンが全国のおよそ1000人に実施した調査では、約半数の人が16歳未満は運転できないことを知らなかったそうです。

■免許の有無
「LUUP」などは、免許がなくても乗ることができますが、実は市販されている電動キックボードの中には運転免許が必要なものも存在しています。

最高速度が20km以下であることや、車体の長さが190cm以下、かつ幅が60cm以下など決められた要件を満たさない電動キックボードは、原付バイクと同様に運転免許が必要となります。

■歩道か車道か
どこを走るべきかですが、原則としては車道です。ただし時速6キロ以下のスピードリミッターがついている車両では、リミッターを作動させることで歩道での走行が可能になります。このリミッターですが、緑色に光るランプ(最高速度表示灯)が点滅していれば、作動していると判断することができます。

■飲酒運転
当然ですが、飲酒運転は絶対にいけません。自動車と同様、電動キックボードや自転車も道路交通法違反で摘発の対象となります。

LUUPでも電動キックボードの交通ルールの周知に向けて、利用者へ講習会を実施するなどしているということです。

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