感謝込め人形供養 和歌山・田辺の神社

舟に人形を積み込む総代ら(3日、和歌山県田辺市稲成町で)

 和歌山県田辺市稲成町の伊作田稲荷神社で3日、人形供養の神事が営まれた。奉納されていたひな人形など約150体に感謝し、燃やして供養した。

 2019年まで小舟に載せて海に流す「ひな流し」をしていたが、昨年から神事のみを営んでいる。

 この日は、禰宜(ねぎ)の茨善治さん(80)が祝詞を上げ、総代や一般の参列者が玉串をささげた。その後、トラックの荷台に置いた舟に人形を載せ、境内を走らせた後に人形を降ろし、火を付けた。

 人形を持参し、神事にも参加した近くに住む60代の女性は「人形は母が集めていたもの。母の思いも詰まっていたと思うので、ちゃんと供養してもらおうと参加した」、岡﨑明彦総代長(70)は「人形たちには『子どもたちの成長を見守ってきてくれてありがとう』と感謝の気持ちを込めて供養している」と話した。

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