佐賀市の戸上電機製作所本館が「佐賀県遺産」に認定され、同社でこのほど認定証授与式があった。珍しい木造3階建てで、同社が設立された1925(大正14)年に建てられ、現在も本社の管理本部などが入り業務で使われている。
当初は2階建てだったが、増改築を経て38(昭和13)年に3階建てになった。佐賀の産業の発展を今に伝える建物で、昨年までに行った耐震補強工事の際も、印象的なタイル張りの外壁を残すなど創業当時の姿を保つことに配慮してきた。
認定証を受けた仁部和浩取締役管理本部長は、本館を維持管理してきた先人の思いや苦労に感謝し、「100年になろうとする歴史を刻んだ建物で仕事ができ、われわれの心のよりどころになっている。次の100年に道筋を付けていくのが責務」とものづくりへの思いを新たにしていた。
今回の認定で県遺産は計65件となった。(北島郁男)