犬が興奮状態のときにする『3つの行動』 危険な仕草を助長させる飼い主のNG行為まで

なぜ犬は興奮するのか

犬が興奮することには必ず理由がありますが、犬の性格や経験や環境などによって、興奮する理由やタイミングは様々です。

嬉しくて興奮することもあれば、警戒して興奮することもあります。

お散歩中、野良猫や野鳥を見ると興奮する。ドッグランで走る犬を見ると興奮する。異性の犬と会わせると興奮する。人の大きな声に興奮する。犬それぞれに様々な理由やタイミングがありますよね。

愛犬が興奮する対象となるのは何か、どんなとき、どんなタイミングなのか、飼い主がしっかり把握しなければなりません。

興奮すると、チアノーゼの症状が出たり、呼吸困難になったり、犬自身に危険が及ぶことがあります。滑る・転倒する・転落する、誤飲・誤食・喉に詰まらせるなどの恐れもあります。

暴れる・飛びかかる・咬みつくなど、飼い主や他人や他犬に危険が及ぶこともあります。犬の興奮には危険が伴いやすいため、落ち着かせるための対処をする必要があります。

犬が興奮状態のときにする行動

ではここからは、犬が興奮状態のときにする行動について解説します。愛犬の危険な行動や仕草を助長させることのあるNG行為を、飼い主がしてしまうことのないようにしましょう。

1.高い声で鳴きながらジャンプする

犬が嬉しくて興奮状態にあるとき、高い声で鳴きながらジャンプすることがあります。飼い主が帰宅したとき、長時間のお留守番から解放されたとき、よく見られる行動です。

嬉しくて興奮状態にあるときのジャンプは、犬にとっても非常に危険な行動です。滑って転倒し、脱臼や骨折をする犬がよくいるのです。

また、犬が興奮状態のとき、飼い主も同じように高い声を出し、愛犬の体をワシャワシャと撫でるなど興奮したような態度で接していませんか。

実は、愛犬の危険な行動や仕草を助長させる飼い主のNG行為です。

愛犬が嬉しくて興奮状態にあるときは、高い声や大きな声は出さないようにし、落ち着いた態度を見せるようにしましょう。

2.咬みつくふりをする

犬が警戒して興奮状態にあるとき、咬みつくふりをするなど、挑発的な行動を見せることがあります。

咬みつく「ふり」ではありますが、犬の歯が人の皮膚に当たるだけでも痛みを感じることがあります。幼い子供や高齢者であれば、小さな傷ができたり、少量の血が出たり、怪我を負わせることがあるかもしれません。

犬の口の中には、パスツレラ菌や様々な感染症を引き起こす病原体がいます。傷口から侵入し、感染症を引き起こす可能性があります。十分に注意しなければなりません。

愛犬が警戒して興奮状態にあり、咬みつくふりをするなど挑発的な行動を見せるとき、飼い主も同じように挑発的な行動をして見せていませんか?

愛犬の危険な行動や仕草を助長させる飼い主のNG行為です。咬みつくふりがエスカレートし、本当に咬みついてしまう恐れがあるため、挑発的な行動をするのはやめましょう。

3.床や地面をホリホリする

愛犬が嬉しくて興奮状態にあるとき、警戒して興奮状態にあるとき、床や地面をホリホリすることがあります。

穴を掘るような行動ですが、実際に穴を掘ろうとしているわけではありません。そのような仕草をすることによって、興奮する気持ちを発散しよう、抑えようとしているのです。

クッションやソファーをホリホリされると、穴が開いたりボロボロになったりして困るかもしれません。地面をホリホリされると、飼い主や周囲に土や砂が降りかかったり、愛犬の手足が汚れたりして困るかもしれません。

しかし、「やめなさい!」と大きな声を出して叱るのは、愛犬の危険な行動や仕草を助長させる飼い主のNG行為なのでやめましょう。

とくにソファーなどの高い場所に上ってホリホリしているときは、転倒や転落による大怪我の危険がありますので注意しましょう。

まとめ

犬が興奮状態のときにする行動を3つ解説しました。

  • 高い声で鳴きながらジャンプする
  • 咬みつくふりをする
  • 床や地面をホリホリする

愛犬が興奮しているときほど、飼い主は冷静でなければなりません。

興奮状態にある犬は、攻撃的な行動に出ることもありますし、自分自身が怪我を負うことも、相手に怪我を負わせることもあります。

愛犬が興奮する対象となるのは何か、どんなとき、どんなタイミングなのかを把握し、興奮させないための事前の対処ができるようにしましょう。

(獣医師監修:後藤マチ子)

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