映画「君たちはどう生きるか」中国で公開、6つの見どころとは?―中国メディア

3日、中国のポータルサイト・捜狐にスタジオジブリの映画「君たちはどう生きるか」の見どころを6つ紹介する記事が掲載された。

2024年4月3日、中国のポータルサイト・捜狐にスタジオジブリの映画「君たちはどう生きるか」の見どころを6つ紹介する記事が掲載された。(本記事はネタバレを含みます)

記事は同作品について、「千と千尋の神隠し」に続いてアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した83歳の宮崎駿監督の「人生の映画」と紹介。続けて、「上海プレミアイベントに出席したスタジオジブリの代表取締役・プロデューサーの鈴木敏夫氏は、宮崎監督の依頼を受けて遠く中国まで訪れ、多くの映画ファンを感動させた。この映画には、宮崎監督自身の真摯(しんし)な感情が注ぎ込まれており、青サギと少年の冒険、幻想的で壮大なシーン、そして愛と成長のテーマが観客を驚かせ、最高の愛と感動を与えた。『宮崎駿は、純粋で真摯な浪漫で人々の心をつかむ方法を知っている』と観客にため息をつかせるほどだ」と評価した。

主題歌の「地球儀」については、「日本の歌手である米津玄師が宮崎監督の人生経験をもとに作曲した、感動と深い意味に満ちた『命の歌』」と紹介。映画の最後にこの曲が流れると、観客からは「聞いているだけで泣けるような心のこもった告白だった」と感動の声が上がったという。

このほか、同作品のキャラクターであるワラワラのポスターについても「彼らは、亡くなった人々の魂が再生の準備をする姿。彼らの転生は希望と再生を示し、一つの人生の終わりと始まりが描かれている。一般的な『亡霊』に対する恐ろしい印象とは異なり、ワラワラは愛らしく活発で、真っ白で無垢であり、その身には故人となった親族への生者の尽きない思いやりや願いが託されている」と言及した。

記事は、そんな「君たちはどう生きるか」の1つ目の見どころについて、宮崎監督の「人生の映画」であると紹介。「宮崎監督は自身の人生経験と洞察をこの映画に描き込み、幼少期の遺憾に直面し、観客に自分の人生を勇敢に生きることを促している。映画が海外で上映された後、多くの称賛を集め、観客の一人が映画を見た後に『宮崎監督がここまで年齢を重ねても自分の愛することを続けている姿に深く感動した』と述べ、別の観客は『人生について、理想について、善悪について、この映画から誰もが自分の答えを見つけられると信じている』と述べた」とした。

2つ目の見どころについて、記事は「愛と成長」を挙げ、「母親が火事で亡くなった後、父親と継母と新しい家族を築く少年の物語。深い悲しみに暮れ、暗い孤独を抱えていた眞人は、ある日偶然話すことができる青サギに導かれて、神秘の塔から幻想の『生と死の世界』に入り込み、不思議な冒険を始めることになる。 母親を探す冒険の中で自分自身と和解し、愛と成長を遂げたその普遍的な感情の核は、多くの観客を感動させた。さらに幻想的な世界で長い別れを経て再会した母と息子、2つの時空を隔てた抱擁、固い愛もまた人々を感動させ、その裏には、幼少期に傷を負った宮崎監督自身の人生の後悔への勇敢な別れが込められている」と伝えた。

3つ目の見どころについて、記事は「作画」を挙げ、「宮崎監督の作品は、その奇想天外で美しい画風が常に観客を魅了してきた。『君たちはどう生きるか』は、スタジオジブリ最大規模の制作として、数十名のアーティストが参加し、鉛筆で手描きされ、壮大な幻想的な絵巻が7年の歳月をかけて創られた。映画では、空想的な幻想世界、愛らしい『ワラワラ』と呼ばれる生き物、変幻自在の青サギなど、視覚的な驚きをもたらしている。アニメーションには、宮崎監督の細部への徹底的な追求があり、映画の中でジャムを食べるシーンを描くのに4日もの時間を費やし、果実と種が流れる感覚を最大限に再現するためだけに労を惜しまないその匠心は、多くの観客を感嘆させている」と説明した。

4つ目の見どころについて、記事は「音楽や声優陣」に言及し、「映画の音楽は、昔からの友人である久石譲が担当し、主題歌『地球儀』は人気歌手の米津玄師が提供した。また、菅田将暉や木村拓哉などの多くの著名な実力派俳優が声優として参加。中国語版の声優陣には、リウ・ハオラン(劉昊然)、ダー・ポン(大鵬)、ガオ・ユエンユエン(高圓圓)、チュー・ヤーウェン(朱亜文)、クリスティ・チャン(張含韻)、チェン・ジエンビン(陳建斌)などが参加し、鈴木敏夫氏は初演で、『中国語版の声優の声は、オリジナル版と非常によくマッチしています』と述べた」としている。

5つ目の見どころについて、記事は「メタファー」を挙げ、「豊かで多様なファンタジーキャラクターと絶妙に親しみやすい映像が映画ファンの間で強い共感を呼んだ。権威主義的なインコ大王と機械に無関心なインコ軍団は、宮崎監督が提唱した人生に対する『反戦』の姿勢を反映している。ワラワラ、老婆たち、放棄された塔、奇妙な形の隕石などに『過去作品の影を見た』という観客も多い。ほかにも、案内人の青サギは鈴木敏夫氏、塔の主の大叔父は高畑勲氏、生意気なキリコは宮崎監督と長年仕事をしてきた色彩デザイナー、安田道雄氏をモデルしている」と紹介した。

6つ目の見どころについて、記事は「家族で楽しめる映画」である点に言及し、「宮崎監督の映画は、無数の観客を温かく包み込み、多くの家族にとって映画鑑賞の選択肢となっている。『君たちはどう生きるか』は、宮崎流の子どもらしさや多様なキャラクターなど、創造性と生命力に満ちており、観客の中には『83歳の宮崎監督の想像力には相変わらず驚きだ』と発言する人もいた。宮崎監督の映画には、幻想的な体験に加えて、常に真摯で純粋な感情があり、観客の多くが『童心に返って自分の人生の傷跡を映画の中で消し去ったような気分になる』と述べている。子どもと一緒に映画を見に来た親も『家族全員で見るのにぴったりだ』『大人も子どもも喜ぶ作品だ』と感動している」とした。(翻訳・編集/岩田)

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