雨が降る寒い日に外にいた子猫を保護  奇跡の出会いから2年後の今、「幸せを運んでくれる宝物」のような存在に

雨が降る寒い日に、家の外から聞こえてきた鳴き声。それが奇跡の出会いでした。

引用元:@jznixcNdaSYaHur

今回紹介するのは、X(旧Twitter)ユーザー@jznixcNdaSYaHurさんの愛猫・うしおくん。2021年10月に、外にいたところを飼い主さん夫婦に保護されました。

出会いの経緯、現在のうしおくんの様子について、飼い主さんに詳しいお話をうかがいました。

「謎の鳴き声」に気づいて、3日目で保護

引用元:@jznixcNdaSYaHur

10月のある日、飼い主さんの家の風呂場の外から、何かの鳴き声のようなものが聞こえたそう。そのときは声が遠かったことや、不思議なかすれ声だったため、飼い主さんは「近所に成猫でもいて、鳴いているのかな?」と思い、とくに気に留めなかったといいます。

2日目もその声が聞こえたものの、昨日より声が小さかったために様子見。しかし、3日目の雨が降る寒い日に、風呂場の窓の真下から今までより大きな声がして、飼い主さんは「外に何かがいる」と確信します。夫に伝えて、外の様子を見に行ってもらうことにしたのだとか。

しばらくして戻ってきた夫の手の平の上にいたのは、小さな子猫。それが、うしおくんでした。

飼い主さん:
「子猫が手足をピーンと伸ばして、なんとも情けない顔で手の平の上に乗せられていました。寒かったことと体が汚れていたこともあり、子猫の体をキレイにしてあげました」

「寒い中、頑張ってくれてえらい!」

引用元:@jznixcNdaSYaHur

飼い主さんの夫の話では、保護当時のうしおくんは隣の家の敷地内に1匹でいたのだそう。周囲に親やきょうだい猫はおらず、はぐれてしまったのかもしれません。

飼い主さんの夫がお隣さんに「中を探していいですか」とお願いし探させてもらったそうで、この時点で「子猫に違いない」と確信していたといいます。うしおくんが倉庫の下に入り込んだところを捕まえ、「連れて帰ります」と迷いなく保護したのだとか。

飼い主さん夫婦が住む周辺は山と海が近く、潮風が強くて寒い場所なのだそう。また、ゴミ捨ての日には山からカラスが降りてくるといいます。

飼い主さん夫婦に見つけてもらえなければ、うしおくんの命は危なかったかもしれません。

引用元:@jznixcNdaSYaHur

保護したとき、飼い主さん夫婦はうしおくんのことを「見つけるまでの寒い中、頑張ってくれてえらい!」と、褒めてあげたそう。また、「声に気づいて『見てきて』って言った私えらい!」「探して見つけて連れて帰った夫えらい!」と、夫婦でも褒め合ったのだか。

うしおくんにとっても飼い主さん夫婦にとっても、この保護の一日は特別な日になったようです。

保護を経て「猫中心」の生活に

引用元:@jznixcNdaSYaHur

保護した次の日にうしおくんを動物病院へつれて行くと、推定2カ月半の子猫で、痩せてはいるけれど健康なオスと診断されました。

夫婦ともに実家にいた頃は犬を飼っていたものの、猫を飼うのは初めての経験。うしおくんと過ごすうちに、夫婦ともに「猫はこんなにも可愛いのか!」と、猫も大好きになったといいます。

飼い主さん:
「アウトドア派の夫は一日中、うしおを抱いて過ごしていました。うしおが少し大きくなってひとりで遊び始めると、寂しがるほどです。

私もうしおがカーテンに登ったり、物を落としたりする姿を微笑ましく笑って見守る…という、すっかり猫中心の生活に。可愛い猫の存在は、人を変えると思いました」

大変な時期もあったけれど、すくすくと成長

引用元:@jznixcNdaSYaHur

うしおくんと楽しく暮らし始めた飼い主さん夫婦でしたが、ときには苦労することもあったといいます。

飼い主さん:
「うしおは小さい頃に親やきょうだい猫と離れているので、甘噛みの力加減を学んでいなかったんだと思います。私たちにジャレるときに力加減ができず、私たちの手は爪や歯の傷がいっぱいでした」

飼い主さん夫婦はうしおくんへの甘噛み対策として、その都度「痛い」と根気強く伝えてきたのだとか。すると、うしおくんは次第に加減を覚えたのか、今では改善が見られたようです。

うしおくんは2才に! どのようなコに成長した?

引用元:@jznixcNdaSYaHur

飼い主さん夫婦と出会い健やかに成長していったうしおくんは、現在2才(取材時)のおとなの猫になりました。

1才の頃のうしおくんは「まだ子猫感が強かった」そうですが、今は性格や好みもよりはっきりしてきたとのこと。甘えん坊で、「大のパパっ子」だといいます。

体が大きくなって行動範囲が広がり、動きもダイナミックになったといううしおくん。飼い主さんはうしおくんが家の中で安全に過ごせるように、生活環境や家具をあらためて見直したと話しています。

引用元:@jznixcNdaSYaHur

2023年10月に「2回目のうちのコ記念日」を迎えて、「無事迎えられてほっとするとともに、元気に大きく育ってくれてありがとうと感謝の気持ちでいっぱいです」と話す飼い主さん。

最後に、うしおくんへの思いをこう話していました。

飼い主さん:
「うしおが来てくれたおかげで猫の可愛さを知り、『猫ってこんなに可愛いんだね!』と、毎日夫と何度も話しています。

うしおが一番甘えていて一番一緒にいる夫に、『ひとり(猫)でこんなに可愛いんだから、もうひとり(猫)いたらどんなに幸せかな』と聞いたら、『それには俺の愛が足らん』と、夫はうしおでいっぱいのようです(笑)」

引用元:@jznixcNdaSYaHur

飼い主さん:
「『うしおのオヤツ代!』と思うとやる気が湧いて仕事が捗るし、家に帰るとうしおがお出迎えしてくれて、疲れがどこかへ消えます。

おもちゃを持ってきて『あそんで』と催促したり、可愛く甘えて膝に乗ってきたり、一日の終わりに可愛い寝顔で癒しをくれたり——うしおは、我が家に幸せを運んでくれる宝物です!」

写真提供・取材協力/@jznixcNdaSYaHurさん/X(旧Twitter)
※この記事は投稿者さまにご了承をいただいたうえで制作しています。
取材・文・構成/雨宮カイ

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