リアルで観るか。アニメで観るか。「HIGHSPEED Étoile」が提案する、今どきのモータースポーツの楽しみ方【週刊スタッフブログ】

レース担当でありヲタネタ担当でもあるということで、女性ドライバーによるレーシングチーム「HIGHSPEED Étoile Racing」の記者会見に参加してきました。TBSほか全27局の地上波と各種配信サービスで放映中のアニメ「HIGHSPEED Étoile」とコラボレートすることで、新しいモータースポーツファンの開拓にも挑戦します。

レースを通して、それぞれに魅力的な「成長」を目指す

「挑戦する元気な女性たち」の活躍は、リアルでもフィクションでも、観る者を元気にしてくれるような気がします。今回、発表された「HIGHSPEED Etoile Racing(ハイスピード エトワール レーシング)」の活動もまたしかり。オリジナルアニメ作品とのコラボレーションで、若い女性たちがカーレースに挑戦、トップを目指して頑張ることになりました。

左からドライバーの清水 愛(しみず あい)さん、前田琴未(まえだことみ)さん、そして川合孝汰監督。清水さんは、元陸上競技の短距離選手で、現在はトラックドライバーとして働く。愛車はトヨタ86で修行中。前田さんはカートでの耐久レース参戦経験がある。ホンダディーラーの営業で、S2000とシビックタイプRでサーキットランを楽しんでいるという。

リアル・レースに挑戦するのは、株式会社プラチナムファクトリー(本社:東京都中央区、代表取締役:中川隆太郎)が発足する「HIGHSPEED Étoile Racing」。中川氏は冒頭の挨拶で、「女性の活躍の場と、アニメのキャラクターとともに成長できる環境づくりをしていきたい」と語りました。

チームを率いる監督は、スーパーGTで活躍しているレーシングドライバーの川合 孝汰(かわあい こうた)氏。2023年はGT300クラスでシリーズチャンピオンを獲得しています。

川合監督は挨拶の中で、モータースポーツを志したきっかけが、少年がプロレーサーを目指してさまざまな困難を乗り越え、チャンスをつかんでいくアニメ「capeta(カペタ)」だった、というエピソードを披露。

難しい挑戦であることは納得の上で、トップを目指して実績につなげていきたいと考えていきたい、とのこと。その上で目標として、女性だけのレーシングチームで世界を目指していきたいと、豊富を語りました。

モータースポーツ専用車であるVITA-1(タイトル写真)はトヨタ ヴィッツRS用のエンジンとトランスミッションを搭載するが、こちらのモデルS Plaidは、フルバッテリーEV。フロント1モーター、リア2モーターで、最高出力は1020hpを絞り出す。0→100km/h加速はなんと2.1秒。ふたりのドライバーがイベントごとに乗り分けるようだ。

オーディションを経て選ばれたふたりのドライバー、前田琴未(まえだことみ)さんと清水愛(しみず あい)さんは、どちらも本格的な四輪車によるレースは未経験です。それでもクルマ好き、サーキット走行好き、なによりも「運転がうまくなりたい」という強い想いは共通している様子。マシンは2種類、3つのカテゴリーでの活躍に、期待感が募ります。

レース専用車両であるVITA-01(ヴィータゼロワン/タイトル写真)を使って2台体制で参戦するのは、女性ドライバー限定のプロレースシリーズである「KYOJO-CUP」(年6戦うち5戦に参戦予定)と、新人ドライバーの登竜門である「富士チャンピオンレースシリーズ(FCR)」(年4戦うち3戦に参戦予定)。どちらも富士スピードウェイでの開催となります。

同時に、年間5戦が富士スピードウェイ、筑波サーキットなど関東エリアのコースを転戦する全日本電気自動車GP(EV-GP)には、テスラの「モデルSPlaid」で参戦します。最高速度300km/hオーバーのEVによるバトルは、どこかアニメの世界観とシンクロするようなハイスピードチャレンジとなりそうです。

わかりやすい入口としてのアニメ。「SF NEXT50」とも濃密にコラボ

さてここからは、レーシングチームの名前にも採用されているアニメ「HIGHSPEEDÉtoile(ハイスピード エトワール)」について、もう少し詳しく紹介させていただきましょう。

超高性能なレーシングマシンでありながら、しゃべるAIのサポートを受けることで安全性にも配慮しているところがまた、今どき。ソフィア・B・時任のマシン(右上)には、冷凍宅配食サービスを手掛けるナッシュ株式会社(代表取締役社長:田中智也)の「nosh」ロゴが入る。

物語の舞台は、リアルワールドと同様に環境問題への配慮が社会課題となっている近未来の日本です。そこで開催されるのが、最高時速500km/hオーバーで疾走するマシンを使った次世代レース「NEX-Race」です。AIによるコントロールサポートなど、最新技術が安全性を担保する中、エキサイティングな本格バトルが繰り広げられます。

圧倒的な強さを誇る「キング」。野性的な走りで観客を魅了する「クイーン」。ふたりのスタードライバーが活躍する中、デビューして間もない主人公、輪堂凛(cv:和泉風花)と、それぞれに夢と希望、いくばくかの挫折に悩むライバルたちが、「エトワール(最上位のダンサー)」の座を目指してサーキットを駆け抜けます。

会見では、プロデュースを担当するキングレコード株式会社の佐々木ゆうろ氏(キング・アミューズメント・クリエイティブ本部所属)が登壇。実は免許を持っていないという驚きの経歴を披露したうえで、モータースポーツとしてのリアルさも本気で追求していく、と抱負を語りました。

プロデューサーのおふたり。左が佐々木ゆうろ氏で、右が木梨美涼氏。本気のモータースポーツの世界観を作り上げていきたい、と考えているようだ。

「ライトなファンはもちろん、あまり知識がなくても、テレビアニメというわかりやすい入口から入ってもらって、将来的にはモータースポーツの(リアルな)現場にも興味を持ってほしい」とのこと。3年前からプロジェクトがスタート、リアルさを追求するために日本全国のレースシーンをロケハンし、その魅力を痛感する中で、「自分もレースに出てみたい!」と思えるほどのめりこんでいるそうです。

製作前段階からの手厚いサポートの背景にあるのは、スーパーフォーミュラシリーズを主催する株式会社日本レースプロモーション(JRP)とのコラボレーションです。シーズンを通して展開するプロジェクト「SUPERFORMULA NEXT50(SF NEXT50)」と共通するビジョンのもと、生のレースにおける緊張感や現場の声まで含めたディテールをチェックしているとのこと。

主人公の胸元には、リアル企業のサポートロゴ。なかなかにリアルです

たとえばレーシングドライバーのキャラクター設定に当たって、レース中の思いやジンクスへのこだわり、休日の過ごし方に至るまで「取材」したものが、生かされているそう。ある意味、登場するレーサーたちの姿には、スーパーフォーミュラドライバーたちの姿が反映されている、と言えるかもしれません。

主要キャラクターのレーシングスーツには、応援企業のロゴが入っている。主人公 輪堂 凛は株式会社Gugenka(代表取締役CEO 三上昌史)、スクールの同期である小野永遠は同社のパートナー企業であるVRChat、ライバルのソフィア・B・時任は株式会社セルシス(代表取締役社長 成島 啓)の開発・提供するイラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」がそれぞれ採用される。

そういえばもうひとつ見どころと言えるのが、リアルに存在する「応援企業」の参加でしょうか。レーシングスーツやマシンなどに、ロゴが掲載されており、さまざまなキャンペーンやコラボ企画が展開されるそうです。「HIGHSPEED Étoile」は、さまざまな意味でモータースポーツとのシンクロが感じられるユニークな作品になりそうです。

アニメ「HIGHSPEED Étoile」作品情報

【ON AIR/STREAMING】
2024年4月5日(金)25時53分より TBS系列「アニメイズム」ほか全27局で放送中
「dアニメストア」のほか、主要サービスにおいて配信(4月5日から順次開始)
【STAFF】
キャラクター原案:藤真拓哉
【CAST】
輪堂 凛(りんどう りん):和泉風花
浅河(あさかわ)カナタ:日笠陽子
小町永遠(こまち とわ):井澤詩織
ソフィア・B・時任(ときとう):堀江由衣
劉 悠然(りゅう ようらん):諏訪彩花
アリス・ サマーウッド:水樹奈々
リチャード・パーカー:松田健一郎
ロレンツォ・M・サルヴァトーレ:鳥海浩輔
【INFORMATION】
公式サイト: https://highspeed-etoile.com/
公式Twitter: https://twitter.com/HSE_Project_PR

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