【西武】元ペッパー師匠・佐藤龍世 名付け親・新庄監督の前で3ラン「ファイターズにいた頃は…」

打のヒーローとなった西武・佐藤龍世

西武・佐藤龍世内野手(27)が6日の古巣・日本ハム戦(エスコン)で値千金の決勝3ランを放ち、5―2の勝利に貢献。故郷・北海道に錦を飾った。

0―0で迎えた4回二死一、二塁の第2打席、佐藤龍は日本ハム先発・加藤のカウントを取りに来た外角スライダーを一閃。打球は伸びて右翼ブルペンに飛び込む先制3ランとなり、続く岸の2者連続ソロまで西武はこの回4連打4打点と、一気に試合の主導権を握り、逃げ切った。

佐藤龍は「打ったのはカットボールです。ツーアウトからアギラーとコルデロがつないでチャンスをつくってくれたのでどうにか返そうと思い、振った結果ホームランになりました」とうれしい今季1号を振り返った。

北海道厚岸郡出身で2021年8月から22年までファイターズに所属していた佐藤龍にとっては古巣への〝恩返し弾〟にもなった。

新庄監督が就任した22年の春季キャンプでは野手に「追い込まれたら、考え方を変えてペッパー打法で軽打しろ」との指令が出ていた。この指揮官の指示を守り阪神、楽天との練習試合で結果を出していた佐藤龍に対し新庄監督から「ペッパー師匠」の称号を授かっていた。

結局、そのオフに再び山田遥楓内野手(現楽天)との交換トレードで西武に復帰し「ペッパー師匠は(北海道に)置いてきました。フルスイングします」と宣言していたが、この打席で外角から入ってくる変化球に逆らわずバックスピンを掛けた打撃は、信条とするマン振りではなく〝ペッパー時代〟の名残りを残す軽打意識だった。

新庄監督の前で打った恩返し弾に「とりあえず方向性は決めず振っていこうと。いい感覚だったので、越えてくれと思った。ファイターズにいた頃は迷惑ばかりかけていたので、こうして打てて良かった」と少し特別な思いを語っていた。

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