400泊の「キャンピングカー生活」でわかった「車中泊ぐらし」で絶対に欠かせない「4つのギア」

キャンピングカーで1年間生活した筆者が「絶対手放せない」と感じた装備を紹介!(撮影:Dois de Nós)

車中泊しながら旅をする際には、キャンピングカーやバンタイプの車、トレーラーハウス、DIYした乗用車など様々な車種やスタイルがあるが、快適な居住スペースを確保するための装備選びに悩まされる方も多いのではないだろうか。

今回はヨーロッパで1年以上のキャンピングカーで旅をしている筆者が、「買って大正解!」「これがなくては旅が続かない」と思った厳選アイテムや装備を紹介したい。これから長期車中泊やバンライフを検討している方の参考になれば幸いだ。

■400泊以上の長期キャンピングカー旅でわかった「欠かせない」アイテム

1年間のキャンピングカー旅で過酷な冬場も体験してきた

筆者は中古で購入したキャンピングカーで暮らしながら夫婦でヨーロッパを周遊中で、旅を開始してから1年以上が経過した。雨や雪、台風の日も、400泊以上をキャンピングカーで暮らし、全ての季節を経験したことで、旅の楽しさや辛さも少しずつわかってきた。

旅を始めた当初に「きっと使うだろう」と思って購入したが、結局は使わなかったアイテムも多々あった。いまでは実際、毎日のように使って「生活に絶対欠かせない」という装備や、逆に「全く必要ない」という装備も筆者なりに分析できた。今回は筆者の生活必需品ともいえる厳選した“インフラ”アイテムを紹介する。

■その1 ポータブル電源&ソーラーパネル

車中泊には欠かせない電源を確保するために、重要な役割を担っているのがサブバッテリーとソーラーパネルだ。筆者のキャンピングカーにも固定のバッテリー、インバーターとソーラーパネルが付いているが、容量と出力電力が少なく、車内でパソコンを使ってリモートワークするのに支障をきたしていた。そのため、外部電源のあるオートキャンプ場を何度も利用することになってしまっていた。

そこで、ポータブル電源メーカー「BLUETTI(ブルーティ)」の大容量ポータブル電源(AC180)とソーラーパネル(PV200)を新たに導入。この2つを取り入れたことでキャンピングカーでのライフスタイルが一変したのだ!

ポータブル電源は容量が1152Whもあり、ノートパソコンなら13〜15回の充電が可能。さらに1800Wまで出力できるので、消費電力の高いヘアドライヤーやヘアアイロンなども使えるので女性には嬉しい。充電方法もAC電源、シガーソケット、ソーラーパネルとあり、一緒に購入したソーラーパネルに接続することで、太陽光を利用した環境にも優しい再生可能エネルギーを作り出すことが可能になったのだ。折りたたみ式で持ち運びに便利なので、キャンプなどのアウトドアでも大活躍しそうだ。

この2つをセットで使い始めてからは、キャンピングカーにいながらも家庭のような快適さで電力が使えている。スマートフォンの充電のみであればそこまで必要性は感じないが、車中泊でパソコン作業のリモートワークをする必要がある人などは、ポータブル電源があると安心して作業ができるのでおすすめだ。

■その2 衛星アンテナのインターネット

リモートワークで車中泊旅をする人の最大の悩みは、インターネット環境だ。iPhoneやスマートフォンのテザリング機能を使ったり、モバイルWi-Fiを契約してネット回線を確保している人も多いが、電波が届かない山間部の地域だったり、速度や容量制限がかかったりで仕事に支障が出る場合もあるのだ。

筆者は航空宇宙企業「スペースX社」が展開している「スターリンク」の衛星アンテナを使用している。これを使い始めてからはネット環境に悩まされることなく、ケータイの電波が届かない山奥でもサクサクと高速インターネットに繋がり、問題なくパソコン業務の仕事ができている。

スターリンクは宇宙の衛星から直接アンテナへ電波が届くシステムなので、専用アンテナを設置できる空間と電源さえあれば、地域を問わずどこでもインターネットに繋がるのだ。ネットの繋がらない災害時にも利用できるというメリットも大きく、自給自足で生活インフラを確保できるキャンピングカーにはピッタリのサービスとも言えるだろう。

初期費用や月々の費用は割高だが、筆者と同じようにリモートワークで仕事をしながら車中泊旅をしている人や「インターネットが欠かせない!」という人に強く推薦したいサービスだ。

■その3 バックカメラ

キャンピングカーは車体が大きく、死角も多いので慣れるまで運転や駐車に不安を感じることもある。特に、筆者の乗車しているキャンピングカーは車体の長さが6.7mもある大型のため、後部が見えず後退時や駐車時に手こずり、同乗者に外に出て誘導してもらうことも多々あった。

そこで、バックカメラを取りつけたところ、運転席の車載モニターから後部の映像がしっかり見え、一気に駐車時のストレスが軽減した。バックカメラを付けたことで後部もしっかり視認することができ、安全性が高まり事故を防ぐことにつながる。

大型車にとって、バックカメラがあるとないとでは大違い。今ではバックカメラなしの運転は考えられないほどだ。中古キャンピングカーなどはバックカメラが付いていないものも多いが、2〜3万円台で後付けもできるので大型車の運転が心配な方にはおすすめだ。

■その4 2個目のカセットトイレタンク

筆者のキャンピングカーはカセット式トイレを使用しており、容量は17Lで大体2〜3日でカセットタンクは満タンになってしまい、車中泊施設「RVパーク」や専用の処理施設「ダンプステーション」などで汚水処理をすることになるのだ。毎回専用の処理場を探すのが面倒だったり、ダンプステーションが見つからなかったりして、旅のルートに支障が出てしまうこともあった。

そこで、思い切って2個目のカセットトイレタンクを購入したところ容量が倍になり、今までは2日に1回はタンクを処理する必要があったが、1個目のタンクが満タンになったら2個目と交換し、5〜6日は持つようになった。片方のカセットタンクを使用していない時は車のトランクに収納している。専用のバックもついているので、臭いや汚水が漏れる心配もない。

購入してからは山奥や専用の処理施設がない田舎町などにも長期間出かけることができるようになり、完全なアウトドアライフが実現した。

■長期車中泊でも快適に過ごせる装備を選ぼう

1年以上のキャンピングカーライフで、筆者が実際に使って大活躍した装備を4つ紹介した。車中泊のスタイルや目的、期間によって必要な装備も人それぞれで変わってくるだろう。自分のスタイルに合った装備を見つけ出し、車中泊の旅をより快適で充実したものにしてほしい。

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