コロナ収束後の中国を訪れた外国人観光客が驚くのは…―仏メディア

仏紙ル・モンドは1日、「ゼロコロナ」政策を行った中国が、今度は「ゼロ観光客」を懸念しているとの論評文を掲載した。

仏紙ル・モンドは1日、「ゼロコロナ」政策を行った中国が、今度は「ゼロ観光客」を懸念しているとの論評文を掲載した。

記事は、「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)中に門戸を閉ざしていた中国は、今、門戸を開き、ビザ免除措置を行ったにもかかわらず、イメージダウンにより西側からの観光客を呼び込むことが難しくなっている」と指摘した。

コロナ収束後、中国は外国人観光客の呼び込みに力を入れており、昨年中国を訪れた外国人は3550万人に達した。昨年12月にはフランスやドイツなど6カ国に対して15日間ビザを免除する措置を実施、その後、15カ国に拡大された。

記事は「こうした措置は中国に来る外国人が依然として少ないためだ」とし、「国家移民管理局によると、昨年の入国者数は2019年の36%にとどまった。この数はもう十分に少ないが、さらにこの外国人たちはビジネス上の事情で中国市場を避けることができない人たちが主だ」との見方を示した。

また、ドイツ在住のカップルが中国を訪れた時に感じた不便さとして「ウィーチャット(微信)とアリペイ(支付宝)をインストールしなければならない。中国ではそれらがないと何もできない」としたほか、「外国人は出発前に“壁越え”(VPNを使い海外サイトにアクセスすること)ソフトをインストールしなければ、彼らが日常的に使用しているウェブサイトやアプリ、たとえばグーグルマップやWhatsAppを中国で使うことができない」と述べた。

一方で、同カップルの話として、事前に心配していた大気汚染はそれほど深刻ではなかったこと、中国人の人柄が良かったこと、フォルクスワーゲン(VW)など海外ブランドの自動車も目にする一方、中国ブランドの自動車も多く、特に電気自動車(EV)の普及率に驚いたことなど、良い点も挙げた。

ただ、「ポストコロナ時代の中国で外国人観光客が驚くのは監視カメラの多さだ」とも指摘し、「カメラの監視から逃れることができる場所、道はもはやない」とした。

記事は、外国人観光客を呼び込むために中国はさらなる努力が必要だとし、「人権問題などをめぐって中国のイメージは悪化している。少なくとも先進国ではそうだ」と言及。「ナイジェリアなど発展途上国では中国に好意的な意見が多いが、西側諸国やアジアの近隣諸国の中国に対する見方は否定的だ」とし、フランスでは昨年「中国の印象は悪い」との回答が72%に上り、06年の41%、19年の62%と比べて上昇していると伝えた。(翻訳・編集/北田)

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