特殊詐欺 気を付けて 電子看板で啓発DVD 花巻署

花巻署がデジタルサイネージで上映しているDVD「詐欺ニモマケズ」

 特殊詐欺の被害を防ごうと、花巻市下小舟渡の花巻署は1階待合室にデジタルサイネージ(電子看板)を設置し、オリジナルDVD「詐欺ニモマケズ」を上映している。主な手口の特徴や被害防止のポイントを解説する内容で、市民が詐欺や闇バイトに巻き込まれないように注意喚起する。

 DVDは、特殊詐欺被害防止を諮問事項とした2023年度の花巻署協議会で委員から出た意見を踏まえ、署員によるナレーションや映像などを盛り込み作製した。身近に潜む詐欺の手口を女性警察官が物語形式で説明する5話構成で収録時間は約20分。春の地域安全運動期間の15日まで、午前9時から午後4時まで繰り返し上映している。

 高齢者の被害が多い「オレオレ詐欺」「架空料金請求詐欺」などに加え、昨年管内で逮捕事案が発生した闇バイトについても「業務が不明確なアルバイトはしない」などのポイントを挙げ、若者が犯罪組織に加担しないよう警鐘を鳴らす。

 同署によると、管内の2023年の特殊詐欺認知件数は1件で被害額は約210万円だが、詐欺に関連する相談は多数寄せられており、今後はDVDの貸し出しや配布を通じて被害根絶を図る考え。中心となって作製した柾本貴德警務課長は「詐欺被害について情報共有し、対策の広がりにつなげたい。誰もが被害者にも加害者にもならないことが重要だ」としている。

© 岩手日日新聞社