日本人女性初のプロボディビルダー、飯島ゆりえさん「地元カルチャーセンターで運動不足解消」のはずが世界最高峰へ【各界の『虎に翼』】

1990年代の飯島ゆりえさん。米大会「ジャンタナクラシック」で

連続テレビ小説『虎に翼』(NHK)では、伊藤沙莉が女性弁護士の草分けを熱演している。本誌は、各ジャンルのパイオニアたちに「矜持と苦労」を直撃した。前例のない世界に飛び込んだ彼女たちには、共通する “強い思い” があった――。

グラフィックデザイナーとして多忙だった飯島ゆりえさん。運動不足解消のため、地元のカルチャーセンターのボディビル講座に申し込んだ。

「すでに30歳を過ぎていました。運動は苦手だったのに、ジムの会長に誘われて、大会に出るようになったんです」

翌1983年には、第1回東京ボディビル選手権で優勝した。

広背筋からウエストにかけてのライン、盛り上がったヒップ……飯島さんは女性の美しさを見せるポージングの研究を重ねた。1988年には、ハワイでおこなわれた国際大会で優勝。1989年にプロに転じた。

「世界最高峰の大会『ミスオリンピア』にも出場しました。でも次第に“美しさ”ではなく、筋肉量ばかりが重視される風潮になっていきました」

1999年に引退するが、コロナ禍まではゴールドジムでパーソナルトレーナーをしていた。いまは……。

「ご覧のとおり、見る影もありません(笑)。いまは都内の自宅でアクリル画を教えています。“生徒募集中”って書いておいてください!」

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