高校生を日給1万円で19時間酷使、制裁金100万円を要求し脅す…テキ屋団体トップの乱暴狼藉

高校生を深夜まで酷使…(写真はイメージ)

やることが「カタギ」とはかけ離れている。

高校生を深夜に露店で働かせたとして、警視庁少年育成課は5日までに、労働基準法と児童福祉法違反(有害目的支配)の疑いで元指定暴力団組員の露天商「徳力一家」代表の松本健治(63)、井上和也(54)両容疑者らテキ屋の男女6人を逮捕した。

徳力一家は昨年4~10月、神奈川県相模原市や厚木市などで開催された祭りに露店を出店。当時、15~16歳の高校生ら11人をアルバイトとして雇い、深夜まで働かせていた。井上容疑者らは少年たちに、「金魚すくい」や「じゃがバター」「かき氷販売」などの露店で調理や片づけを命じ、遅刻や欠勤すると殴る蹴るの暴行を加えたり、罰金を支払わせていた。

昨年11月、バイトの1人が南大沢署を訪れ、「バイトを辞められない。助けて下さい」と相談し、「逆らうと暴力を受けると思い怖かった」と説明した。

テキ屋は「おまえが仕事に来ないせいで売り上げが下がった。無償で働くか、金を積め。おまえが払えなければ、特殊詐欺か強盗をやらせるぞ」と脅し、制裁金として100万円を要求。髪の毛を引っ張り、馬乗りになって少年をブン殴ったという。

さらに少年を車の中に連れ込むと、ガムテープでぐるぐる巻きにされた人や、紐で縛られ、倉庫内で横たわっている人の画像を見せて恐怖心を抱かせた。

「少年たちは早朝6時から開店準備を手伝わされ、休憩もロクに与えられず、長い時は撤去作業が終わる深夜1時半ごろまで19時間、ぶっ通しで働かされていた。それで報酬は日給1万円プラス食事代の1万1000円だけだった。テキ屋たちは入れ墨を隠そうともせず、出店を巡って文句を言ってきた地元住民に対して怒鳴り散らすなど、無法な振る舞いをしていた。少年たちはそれを目の当たりにしていたため、逆らうと暴力を振るわれると思い、怖くて言うことを聞くしかなかった」(捜査事情通)

松本容疑者はテキ屋団体のトップで、神奈川県綾瀬市に拠点を構えている。自宅は同市内の閑静な住宅街にあり、敷地面積が400平方メートル超のひときわ目立つ大豪邸だ。

孫ほど年の離れた少年たちを散々コキ使い、搾取するとは、トップとしての矜持はないのか。

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