第154回九州地区高校野球大会県予選
決勝 4月4日 別大興産スタジアム
大分 000 001 100|2
津久見 000 000 001|1
復活ののろしを上げた―。第154回九州地区高校野球大会県予選決勝で、大分が津久見に2-1で勝利し、16季ぶり8回目の頂点に立った。昨年の夏の大会が終わり、大分中で硬式野球部を指導していた岩崎久則監督が高校で指揮するなど、指導陣を刷新。プロ野球経験のある指揮官は、成功体験を積ませることで選手に自信を植え付けた。
岩崎監督の口癖は「野球にはミスはつきもの」。ミスを恐れてはいけない。落ち込む必要もない。大事なのはミスをした後に、いかにカバーできるかを考えること。前向きにプレーしようと呼びかける。決勝の舞台でも、チャレンジすることを楽しんだ。走者を出しても慌てることなく、選手は練習で何度も試したサインプレーを試みる。結果、三つのけん制死を誘い、そのうち二つが得点圏の走者を刺してピンチをしのいだ。先発の木村拓孝(2年)は「相手走者のデータがあったし、隙を突けると思っていた。狙い通り」と胸を張る。9回を投げ抜き、1失点に抑えた。
打線は長打が出ないことを理解した上で、「強いゴロとライナーを打つ」ことを徹底した。また、相手投手の配球パターンを頭に入れて打席に立つことで、狙い球を絞れた。決勝戦で、先制点となる適時打を放ったキャプテンの原田竜之介(3年)は、「チーム全体でチャンスをつくることを意識し、大事な場面で一本打てる練習をしてきた。(先制打を放つ前に)インコースのストレートを見逃したので、もう一度同じ球がくると思った」と狙い打ちがハマった。
20日から始まる春の九州地区大会の出場権を得たチームは、ステップアップを目指す。岩崎監督は「今大会で、何をすれば勝てるのかが分かったと思う。優勝できたのは、日頃の練習から、真剣に取り組んだからこそ。結果を出したことは自信にしていい。次のステップはプレーの精度を上げること。それに九州大会で気づくことができればいい」と話す。原田は「甲子園に出るために練習をしてきた。監督を信じ、仲間を信じて、九州大会では次につながる課題を見つけたい」と語った。
(柚野真也)