日立風流物に歓声 5年ぶり 山車や人形芝居 茨城

日立さくらまつりで公開された日立風流物=日立市の平和通り

茨城県日立市の春の風物詩「第59回日立さくらまつり」は6日、JR日立駅前の平和通りを会場に本番を迎えた。国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産の「日立風流物」が5年ぶりに公開され、豪壮華麗な山車で繰り広げられたからくり人形芝居に、見物客から歓声が上がった。

風流物は今回、日立郷土芸能保存会北町支部(鈴木司支部長)が担当した。高さ15メートルある山車の5層の屋形を舞台に、戦国時代の三つの戦いを表現した「風流太閤記(たいこうき)」や「風流花咲爺」を上演した。山車の内部では鳴り物係が軽快なおはやしを奏でた。

周囲は見物客で埋め尽くされ、巧みな人形操作で一瞬にして姿を変える「早返り」や、重さ5トンの山車を力いっぱい引いて回転させる様子に会場から大きな拍手が送られた。

同保存会の水庭久勝会長は「開演前から大勢の人が集まってくれて最高にうれしい」と笑顔を見せた。

市によると、平和通りの桜は6日時点で三分咲き。7日は日立風流物に加え、県指定無形民俗文化財の「日立のささら」が公開される。ダンスや音楽演奏などのステージイベントも開かれる。

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