ロッテ・国吉佑樹、投球の安定を支える一つが振り返り チェックポイントは「まずはストレートがしっかり投げられているのかというところと…」

◆ ストライク先行の投球

「そういうふう(ストライク先行)に投げられているなと実際に投げていて感じているので、いいことだと思って続けていこうと思います」。

ロッテの国吉佑樹はストライク先行でテンポよく打者を打ち取っている。

0-5の6回に登板した6日のオリックス戦でも、先頭の紅林弘太郎を二ゴロに打ち取ると、続く渡部遼人も二ゴロ、最後は西川龍馬を遊ゴロに仕留め、1イニングをわずか15球、3人で片付けた。

フォーク、カットボールもかなり良く、特に4月2日のソフトバンク戦、0-2の8回一死走者なしで栗原陵矢を1ボール1ストライクから空振りを奪った3球目の135キロフォークが良かった。

国吉も「投げている感じもいいですし、バッターの反応を見ていても振りにきてしっかり空振りも取れているので、いいところはそのまま継続させて、良くないところは次に向けて修正してと普段からやっている。今はいい状態で投げられているかなと思います」と手応えを掴む。

気になったのは3月3日の西武とのプレシーズンマッチで、源田壮亮を2ボール2ストライクから遊併に打ち取ったスライダー軌道のようなやや横に曲がりの大きいカットボール。いつもと軌道が違うように見えたので本人に確認すると、「あれはカットボールです」と教えてくれた。

「左の外に投げたボール。ゴロを打たせて投げているボールなので、ボールの変化、軌道まではわからなかったですけど、結果として狙い通りの打球を飛ばせたので良かったと思います」。

◆ 振り返り

国吉は昨季、夏場以降に「登板があれば(ファームの)コーチと話をしてどこが良かった、悪かった、課題はこうだったなど振り返りをやっているので、そこが形になったんじゃないかなと思います」とファームのコーチと振り返りを行い状態を上げた。

一軍でも投手コーチと振り返りを行っているのだろうかーー。「ファームの時ほどじっくりはやらないですけど、一軍になったら次の試合に向けてどうしていくかというところと、直前のバッターの傾向、データの打ち合わせをするくらい。自分で映像を見たりすることができるので、それで個人的に振り返っています」。

振り返りの中で、自分のチェックポイントにおいている部分について「まずはストレートがしっかり投げられているのかというところと、それに合わせて変化球がどれくらい投げたいように、投げたいボールが投げられているか」を確認している。

そして、自分で振り返った投球内容を、「その打ち合わせはキャッチャーとの方が多いですね」と捕手とすり合わせを行う。「いいところはそのまま継続しながら、悪いところは修正しながらの繰り返しだと思います」と国吉。

今季は開幕を一軍で迎え、ここまで3試合・4イニングを投げ、3奪三振、防御率2.25。「役割、場面、いろいろあるので行けと言われたところで、しっかり投げられるように。場面、ポジションを問わず、どこでも投げられる準備はしています」。今季初登板となった3月29日の日本ハム戦では2イニングを投げた。昨季の夏場以降からストライク先行の安定した投球を続けており、今季はシーズン通して安定した投球を見せてくれれば非常に頼りなる存在になりそうだ。

取材・文=岩下雄太

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