情報発信や交流の場に 駅舎兼ねた田丸駅交流施設が完成 玉城町・参宮線 三重

【旧駅舎の外観を引き継いだ「田丸駅交流施設」=玉城町佐田で】

 【度会郡】旧駅舎の老朽化に伴い、三重県玉城町が建設を進めていたJR参宮線田丸駅の新しい駅舎が完成しこのほど、供用を開始した。駅の待合スペースの隣に交流スペースを設け、さまざまな人々が気軽に集いつながる交流拠点として生まれ変わった。

 大正元年に建てられた旧駅舎は110年を超える歴史があり、利用者や町民、観光客らに親しまれてきたが、老朽化のため昨年解体された。町は町民らの要望を受け、JR東海から跡地を借りて、駅舎を兼ねた交流施設の整備を進めていた。総事業費は約7300万円。

 完成した「田丸駅交流施設」は、旧駅舎と同じ木造瓦ぶきの平屋建てで、延べ床面積は約107平方メートル。朱色の柱など外観の特徴を引き継ぎ、看板や木の扉、レンガの一部なども再利用。スロープやバリアフリートイレを新設した。

 交流スペースは約33平方メートルで、椅子やテーブル、町の情報を発信するデジタルサイネージ(電子看板)を設置した。展示やイベントの場として貸し出すことも可能。観光案内所を兼ねる町観光協会の事務所も設けた。待合スペースには、町のオリジナルグッズなどを販売する自動販売機を設置した。

 同施設でオープニングセレモニーがあり、町やJR東海の関係者らが出席。テープカットをして祝った。

 辻村修一町長は「大正の時代から1世紀以上にわたって多くの人に親しまれ、歴史を刻んできた田丸駅を何とか残したいという思いをJR東海さんが聞き入れてくれた。町の情報発信や交流の場として活用していきたい」と話した。

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