「恩返しできる会社に 」湘南渡邊株式会社 渡邊泰克さん(51) 茅ヶ崎市

1949年に「渡邊硝子建材」として南湖で創業し、長きにわたり家づくりに携わってきた。2015年に3代目代表取締役に就任すると同時に「湘南渡邊」と社名変更。「更に地域に恩返しできるように」と建築から不動産まで網羅する企業としてまい進した。

「実は、継ぐ気はなかったんだよね」と笑う。大学卒業後は、大手電機メーカーのエンジニアとして、医療系の機器システムの開発・サポートを約10年、第一線で続けてきた。30代半ばに差し掛かった頃、実父が事故で負傷。3兄弟の長男だったことや、「良くも悪くも大企業の中で揉まれ、人生を見つめ直した」と言い、家族と相談し、継ぐ事を決めた。

仕事の進め方や対人関係など、何もかもが違った当時を、「義理と人情の世界」と表現する。新参者として、現場を指揮しながら営業マンとして駆けめぐる日々。それに経営者としての業務も追加され、「苦悩の日々だった」と言うが、「会社としての方向性をしっかりと経営に落とし込めた時、一企業として機能しだし、それが自信につながった」と振り返る。

自身も実務経験を積み、まずは二級建築士を取得。その後、一級建築士に合格。現在は、建築関連の資格試験予備校の講師も務めている。「地域に育ててもらった事を忘れず、恩返しをし続けられる企業でいたい」

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