九州高校野球長崎県大会 長崎日大、海星 きょう決勝

【準決勝、海星-鎮西学院】1回表海星2死一塁、永田が右前打を放つ(写真左)、【準決勝、長崎日大-創成館】最後の打者を打ち取って喜ぶ長崎日大のエース西尾=県営ビッグNスタジアム

 第154回九州地区高校野球長崎県大会第8日は6日、長崎市の県営ビッグNスタジアムで準決勝が行われ、長崎日大と海星が決勝へ進んだ。優勝校は九州大会(20~25日・佐賀)の出場権を得る。
 長崎日大は延長十回タイブレーク(無死一、二塁制)の末、4-3で競り勝った。3-3で迎えた十回、先頭の渡辺が四球を選んで満塁にして、併殺の間に3走が生還した。創成館もその裏1死二、三塁と好機を広げたが、長崎日大の西尾に後続を断たれた。西尾は10回を1人で投げ抜いた。
 海星は鎮西学院に10-0で五回コールド勝ち。二回に池田の右翼線適時二塁打など打者一巡の猛攻で5点先行すると、三回に敵失に乗じて2点、四回に永田の右中間三塁打を足掛かりに2点、五回に4安打で1点を加えた。投げては大川、檜垣のリレーで鎮西学院打線を2安打に抑えた。
 最終日は7日、ビッグNで創成館-鎮西学院の3位決定戦(9時30分)、長崎日大-海星の決勝(13時)を実施する。

◎長崎日大 エース西尾熱投158球
 U18日本代表候補に選ばれている長崎日大の先発西尾が158球の熱投。毎回のように走者を背負いながらも、延長10回を3失点で投げ抜いた。チームを決勝に導いたエースは「改善しないといけないところはたくさんあるが、ピンチで粘れたのは良かった」と納得の表情を見せた。
 「創成館打線がしぶとかった」と振り返ったように、ファウルで粘られながら10安打を浴びたが、慌てなかった。3-3の六回二死満塁のピンチも、4番打者を直球で左飛に打ち取るなど流れを渡さない力投。延長に入っても直球は140キロ台を計測するなど、最後まで力負けしなかった。
 決勝は昨秋と同じ海星とのライバル対決。その時は1-0で競り勝ったが、海星も準決勝をコールド勝ちして勢いに乗っている。頼れる背番号1は「まだバッテリー間で修正しないといけない部分もある。チーム一丸で次も勝ちきる」と気を引き締めていた。

◎海星 積極的な打撃で快勝
 海星は鎮西学院に10-0の五回コールド勝ち。積極的な打撃で16安打を放ち、決勝へ弾みをつけた。加藤監督は「たまたま調子が良かっただけ」と厳しい姿勢は崩さなかったが、続けて「冬を越えて身体の力は付いてきている」と手応えも口にした。
 昨秋まで初球の甘い球を見逃すことが多く、以降は「ファーストストライク」を振る意識を高めた。この日も初球から全員が積極的にバットを振って安打を量産。中堅から逆方向への巧打や状況に応じた好走塁も目立ち、主将の田中は「攻撃はうまくいくことが多くなってきている」と自信をのぞかせた。
 昨秋は決勝で長崎日大の西尾に4安打に抑えられて完封負け。この悔しさを忘れずに心身を鍛え直し、どこからでも得点できる打線に仕上げてきた。田中は「長崎日大はどのピッチャーも力がある。そこを攻略して自分たちの力を示したい」と雪辱を誓っていた。

© 株式会社長崎新聞社