千鳥「日テレ・フジ・Netflix・アマゾン」大争奪勃発!超引っ張りだこの2つの理由と「大晦日への期待」

大悟、ノブ(千鳥)(C)ピンズバNEWS

フジテレビのスポーツ番組『すぽると!』が8年ぶりに復活。同番組には“キャプテン”の肩書でお笑いコンビ・千鳥の大悟(44)とノブ(44)がレギュラー出演している。また4月1日には日本テレビで、大悟がMCを務める『大悟の芸人領収書』と『開演まで30秒!THEパニックGP』がスタートした。

この春、レギュラー番組を増やした千鳥。テレビ各局、大手配信サービスを含めたエンタメ界では今、千鳥の大争奪戦が巻き起こっているという――。

「3月31日の『すぽると!』の初回放送は、スケジュールの都合で千鳥がVTR出演となってしまい、一部視聴者からブーイングの声が上がってしまいましたが、それだけ千鳥の2人が忙しいということですよね」(芸能プロ関係者)

新番組『大悟の芸人領収書』は月曜23時59分から、その後の24時29分から『開演まで30秒!THEパニックGP』がスタートするという異例の編成も話題を呼んでいる。

「日テレはかなり前から千鳥に目をつけていて、新たな2番組もかなり前から企画が進められていたといいますね。

芸人たちが自身の領収書やレシートを手にプライベートの面白話をしていくトークバラエティ番組『大悟の芸人領収書』、人気芸人が2チームに別れて、大悟さんが出すお題にあったネタを30秒以内で考えて披露するという『開演まで30秒!THEパニックGP』。2番組続けるのもインパクト抜群ですし、民放で最も戦略的とも言われる日テレらしい攻めた編成ですよね。

そして2番組のチーフプロデューサーは同じ人物。そのプロデューサーが千鳥、大悟さんの番組企画をずっと温めていたそうです」(前同)

千鳥は、『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』(カンテレ・フジテレビ系)をはじめ、『千鳥のクセスゴ!』、『千鳥の鬼レンチャン』に出演。ダウンタウン・松本人志(60)の活動休止を受けて『人志松本の酒のツマミになる話』は『酒のツマミになる話』(すべてフジテレビ系)に改題し、センターには大悟が座ることになるなど、これまで 千鳥といえばフジテレビの印象が強かった。

「それが、日テレも千鳥を囲いにきている感じなんです。その動きを受けて、フジもあまりスポーツのイメージがない千鳥を『すぽると!』に起用し、より関係性を深めようとしているのでは、とも言われていますね」(同)

■ネトフリ&アマプラ……動画配信サービスでも千鳥の争奪戦に

地上波のテレビ番組だけではない。千鳥は配信サービスの番組でも高い人気を誇る。

元テレビ東京プロデューサーの佐久間宣行氏(48)が手掛け、千鳥がメインキャストとして出演したNetflixオリジナルの『トークサバイバー!〜トークが面白いと生き残れるドラマ〜』は2022年3月から、2023年10月からはシーズン2も配信されるほど好評を博した。さらに2月8日にはシーズン3が制作されることも発表された。

「本格的なドラマパートと芸人たちの赤裸々爆笑トークで構成される『トークサバイバー!』は、ネトフリの視聴ランキング『今日の総合トップ10(日本)』でも1位になったほどの人気番組です。そして、ABEMAで配信されている『チャンスの時間』も2018年4月のスタート以来、好調。地上波にはなかなか出られないアンジャッシュの渡部建さん(51)を積極的に出すなど、話題になることも多いですね。

さらに、AmazonPrimeVideoでも千鳥メインの全数回に大型お笑いバラエティ番組を配信する計画があると聞こえてきています。トーク×コントというような内容で、トークの流れからいきなりコントが始まる、そんな構成になるとささやかれています。

そして今、その番組を任されると言われているのが、日テレを退社してフリーになった、現在も『有吉の壁』(日本テレビ系)の総合演出を務める敏腕テレビマン。実現すればかなり話題になるでしょうね」(前出の芸能プロ関係者)

千鳥は、前述のフジテレビの番組に加え、『千鳥かまいたちアワー』(日本テレビ系)、『相席食堂』(ABCテレビ)、『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)、『いろはに千鳥』(テレビ埼玉)など、コンビで10本のレギュラー番組を抱えている

ピンでも大悟は『大悟の芸人領収書』、『開演まで30秒!THEパニックGP』、ノブは『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(NHK総合)、『ノブゴルフクラシック』(フジテレビONE)などに出演している。

「地上波テレビを席巻している千鳥ですが、さらに配信系でも千鳥の争奪戦が始まっているということですよね。ネトフリやアマプラのような配信サービスは地上波よりも予算が潤沢で、千鳥の場合、1話あたり4ケタのギャラが出ているともささやかれています。それだけ払ってでも2人を使いたいということですね」(前同)

なぜこれほどまでに千鳥の一強状態になったのだろうか――。民放キー局関係者はこう話す。

「主に2つ理由があると言われていますね。1つは、テレビ界がコア視聴率時代に突入したから、ですね」

■千鳥の「一強」の理由――ライバル不在

現在、テレビ各局は世帯視聴率ではなく、13~49歳の個人視聴率であるコア視聴率を重視するようになっている。

「テレビ全体の影響力が低下し、現在は、商品購買力が強い若い層の数字であるコア視聴率を取れない番組には、CMがなかなか入らなくなったんです。そのため、各局は世帯視聴率からコア視聴率重視にシフトし、制作陣もコア視聴率を取れる内容に寄せるようになっていった。そうなるとつまり、若年層の数字、コア視聴率が取れないタレントや芸人は“価値がない”となってしまった。

結果的に、実力、腕があっても、ベテラン勢が排除されることになったんです。ベテランの時点で、若年層にはなかなか見てもらえませんからね。

千鳥の2人も44歳と中堅ではありますが、見た目含めてまだまだ若い。もちろん、彼らの面白さは言うまでもないですよね。また数年前まではまだギャラも高くはなく、多くの番組で重宝された。結果、露出がどんどん増えて、皆が知る国民的なタレントになっていったんです。そうして彼らは、コア時代の申し子と言える存在になりました」(前出の民放キー局関係者)

千鳥が「一強」となったもう1つの理由――それは、ライバルがいないことだという。

「お笑い界のトップに君臨するダウンタウンさんは60歳とかなり上の世代です。また、第一線で活躍中のくりぃむしちゅー、バナナマンは50代、有吉弘行さん(49)も今年で50歳ですから、千鳥はその下の世代になる。

後輩としては、千鳥を追う存在としてかまいたち、霜降り明星、ハライチなどの名前が挙がりますが、かまいたちは一緒に番組をやるモロの後輩だし、霜降りとハライチは30代で千鳥とは重ならない。同世代にライバルがいないというのが大きく、“千鳥しかいない”となり仕事が殺到。結果、大争奪戦になっているのではないでしょうか」(前同)

そんな千鳥をさらに重用しようとしているのが、やはり日本テレビのようだ。

「大晦日の大型特番『絶対に笑ってはいけないシリーズ』がコロナ禍でできなくなってしまいましたからね。昨年の大晦日、ダウンタウンの松本さんと浜田雅功さん(60)が還暦を迎えたタイミングでのグランドフィナーレを予定していたと言われていますが、最終的には諸々の調整がつかず、制作できなかった。

そして今、日テレは『笑ってはいけないシリーズ』のように絶対的に支持される大晦日特番を求めていて、それを千鳥に任せたいという意向があるようなんです」(同)

2021年以降、日本テレビでは大晦日に『笑って年越したい!!笑う大晦日』、『笑って年越し!世代対決 昭和芸人vs平成・令和芸人』、『笑って年越し!THE 笑晦日』を放送してきたが、『笑ってはいけない』のような高視聴率は取れていない。

『NHK紅白歌合戦』の裏番組では、2020年まで『笑ってはいけないシリーズ』が11年連続で民放トップの世帯視聴率だったものの、2021年以降は3年連続でテレビ朝日の『ザワつく!大晦日』に後塵を拝している。

「松本さんは文春との裁判のために芸能活動を休止。『ガキの使いやあらへんで!』のメンバーも高齢になってきていますし、長丁場の『笑ってはいけないシリーズ』を続けるのは体力的にも厳しい。現実的には、もう新作の制作は難しいと見られています。そうした状況下で日テレは、ダウンタウンさんがけん引してきた大晦日特番を千鳥に任せたい、ということですよね。

まだ今後の話で、今年どうこうではないのかもしれませんが、将来的には日テレから2人にオファーがいく可能性は高いと言われていますね。千鳥の大晦日特番が放送されるようになれば、バラエティ界はいよいよ、本格的な『千鳥時代』へと突入していくのではないでしょうか」(同)

令和のお笑い界を制するのは千鳥――ということになるのだろうか。

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