人ならざるものだけど色っぽい…漫画実写化作品で“妖怪”や“怪物”を演じた女優たち

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漫画実写化作品ではさまざまな俳優たちが“妖怪”や“怪物”といった人ならざる存在を演じているが、その独特の色っぽさで視聴者を虜にしてしまう女優も数多く登場している。実写化映画で魅力的な“妖怪”、“怪物”役を演じた女優たちについて見ていこう。

■怖さと色気の融合が視聴者までも魅了する…『地獄少女』橋本マナミ

2005年よりアニメ放送が開始した『地獄少女』は、恨みを晴らそうとする人間と“人ならざるもの”たちが織りなす、オリジナルホラー作品だ。

深夜0時ちょうどにアクセスできるサイト「地獄通信」に憎い相手を書き込むと、依頼者のもとに長い黒髪と赤い瞳を持つ少女・閻魔あいが現れる。彼女から受け取った“藁人形”を使って恨みを晴らすか否かを、登場人物たちは葛藤し決めていくことになるのだ。

時代劇『必殺仕事人』シリーズのように、法や社会で裁かれることのない罪を“人ならざるもの”の力を借りて粛清する……というコンセプトの本作だが、その高い人気から数々のメディア展開を続けており、2019年には同名の実写版映画が公開されている。

あいをはじめ、原作でおなじみのキャラクターたちを数々の俳優が演じている実写版だが、なかでも独特の“色気”で視聴者たちを魅了したのが、橋本マナミさんだ。

数々のドラマ、映画で幅広い活躍を見せる彼女は、あいの使い魔である骨女役として登場している。骨女は紫の着物に身を包み、かんざしや髪飾りで着飾った“花魁”のような姿の女性なのだが、正体は“骸骨”であり肉体の一部を白骨化させることもできる。

橋本さんの艶やかな着物姿にも目を奪われてしまうが、特殊メイクを施すことで白骨化した“怪物”としての姿も巧みに表現されており、美しさと怖さが一体となった姿は圧巻だ。

容姿の再現度もさることながら、作中では濃厚なラブシーンも披露しており、あまりにも過激になりすぎてカットになってしまったシーンもあったのだとか。溢れ出る色気とホラーテイストな姿が、橋本さんの高い演技力で見事に融合されたキャラクターといえるだろう。

■徹底した原作再現によって作り出された新たな“ベラ像”…『妖怪人間ベム』杏

1968年より放送されたアニメ『妖怪人間ベム』は、“妖怪人間”として生まれた「ベム」「ベラ」「ベロ」の3人が、人々から迫害を受けながらもいつか“人間”になることを夢見て、世にはびこる悪と戦っていくというストーリー。

3人の“ダークヒーロー”然とした姿が、やや強めのホラーテイストを交えて描かれた本作。根強いファンも多く、2011年には時を経て実写版のドラマが放送され話題を呼んだ。

やはり気になるのは主要となる“妖怪人間”たちのキャストだが、ベム役にはKAT-TUNの亀梨和也さん、ベロ役には子役時代の鈴木福さんが抜擢され、その豪華な顔ぶれに原作ファンも色めき立った。

そんななか、妖怪人間たちの紅一点として活躍するベラを演じることとなったのが、女優の杏さんである。原作のベラは長い黒髪に真っ白な肌と“人ならざるもの”としての雰囲気が強く押し出されていたのだが、ドラマ版ではダークカラーを基調としたドレス姿をまとい、凛とした女性として登場した。

原作版よりかなり人間の姿に近付いたベラだが、杏さんはさりげないしぐさや言葉遣いによって見事に原作ファンが求める“ベラ像”を憑依させ、少し勝気だがどこか色気のある“妖怪人間”の女性を演じていた。

ドラマ版ではベラが人間の男性に恋をするシーンが描かれたりと、彼女の内面を深掘りしたエピソードが登場するのも見どころの一つだろう。人間臭さとミステリアスな色気を合わせ持つ新たな“ベラ像”に、ぜひ注目してみてほしい。

■スタイルにルックス、あらゆる点で親和性高し…『ゲゲゲの鬼太郎』田中麗奈

“妖怪”をテーマにした作品は数多く登場しているが、なかでも国民的有名作といえば水木しげるさんの『ゲゲゲの鬼太郎』だろう。紙芝居からはじまった本シリーズはその人気から漫画化、アニメ化など数々のメディア展開を続けており、令和になってもなお新たな映画作品が公開されるほどである。

そんな伝説的な『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズだが、2007年には実写映画化されており、鬼太郎役のウエンツ瑛士さんを始め、豪華なキャスト陣が話題を呼んだ。

実写版映画でもねずみ男や砂かけ婆といったお馴染みの“妖怪”たちが登場するのだが、主人公・鬼太郎の良きパートナーであり、作中のヒロインの一人としても活躍する猫娘役に抜擢されたのが、女優の田中麗奈さんだ。

原作の猫娘はおかっぱに吊り目、赤いワンピースが印象的だが、実写版でもその特徴はしっかりと捉えられていて再現度はかなり高い。一方で田中さんが持つすらりとしたプロポーションも融合されており、ミニスカート姿のどこか色っぽい猫娘として登場している。

もちろん原作通りのアクションシーンも健在で、戦闘時は“化け猫”としての凄まじい形相を見せ敵へと襲い掛かっていた。

ちなみに田中さんが猫娘役に抜擢された決め手となったのは、「猫のようなしなやかなスタイルとキュートなルックス」だったようで、田中さん自身も「猫娘に似ていると言われていた」過去もあり、この配役を快諾したという。

のちに公開されるアニメ6期ではすらりとしたプロポーションの猫娘像が描かれているのだが、田中さんの演じた猫娘はまさにその先駆けだったとも言えるかもしれない。妖怪の少女にどこか大人びた魅力をプラスした、絶妙なキャスティングといえるだろう。

“人ならざるもの”として作中で活躍する女性キャラクターたち。こだわりの衣装やメイク、女優たちの演技力によって見事に再現されていた。彼女たちの持つ色気や可愛さが融合された、実写版ならではのキャラクター像は必見だ。

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