家屋の倒壊や周辺の治安悪化などにつながるとされる空き家の増加が社会問題となっている。町田市は周辺の自治体などと比べると「ゆるやかに増加している状況」(町田市)というが、実際はどうなのか。市と住環境づくりに関する協定を2022年に締結し、町田における空き家の相談窓口となっている「住まいと暮らしのコンシェルジュ南町田グランベリーパーク店」(鶴間)・三浦綾子店長=写真=に聞いた。
――空き家に関する町田の現状は
「市の啓発などもあり、空き家と向き合う人が増えてきたと感じる。当店への相談は市外などに住み、空き家となった実家の対応についてのものが多い。私は以前、横浜市の支店に在籍していたが、環境が異なることを前提としても、町田は横浜より空き家相談が多い印象だ」
――どう向き合う
「早期の対策が大切となる。例えば、実家が空き家となってしまった場合、ほうっておくと建物の劣化が進み、『管理不全』と行政より指導などを受ける可能性も出てくる」
「また、一定の条件を満たせば、売却の際に譲渡所得税の控除が受けられる可能性もあり、早期対策にはメリットがある。空き家を放置することにならないよう、当店では事前に家族で話し合ってもらうことを勧めている」
3・2%
空き家の状況について分かる「住宅・土地統計調査」(18年度)によると、町田市の一戸建ての総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)は3・2%(総住宅数/9万1400戸、空き家/2910戸)。都内26市の平均4・3%を下回り、最も少ない市から数えて4番目と低い位置にある。