祝ジャッキー・チェン70歳!石丸博也ボイスで観たい〈じゃない系〉重要作『プロテクター』『サイクロンZ』『ナイスガイ』ほか24時間ぶっ続け放送

『サイクロンZ 〈日本語吹替収録版〉』DVD価格:1,572円(税込)メーカー:ツイン© 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.『プロテクター エクストリーム・エディション』DVD価格:5,217円(税込)メーカー:ツイン© 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.『ナイスガイ』DVD価格:3,122円(税込)メーカー:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

ジャッキー映画史のターニングポイント作

ジャッキー・チェンの映画には「大好きすぎて何度も見返す映画」「面白かったけどあまり見返してない映画」、そして「なんとも言えない……な映画」がある。

「大好きすぎて~」は『ドランク・モンキー/酔拳』(1978年)や『プロジェクトA』(1983年)、『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(1985年)といった作品群が挙げられるし、人によって『ヤング・マスター/師弟出馬』(1980年)や『スパルタンX』(1984年)、『ポリス・ストーリー3』(1992年)、『酔拳2』(1994年)なんかも入るのではないかと思う。

こうした作品は何度もTV放映されていて、番組表で見つけるたびに観てしまい、「いやー、やっぱジャッキー映画は面白れえなあ」なんて思いながら布団に入るのだが、「面白かったけど~」と「なんとも~」については“なんとなく見返すモチベーション”が低い作品になっていることが多い。

しかし! これらの作品もジャッキー映画史を語る上で非常に重要な作品なんである。特に今回、CS映画専門チャンネル ムービープラスの「特集:24時間ジャッキー誕生祭」で放映される『プロテクター』(1985年)、『サイクロンZ』(1988年)、『ナイスガイ』(1997年)といった作品たちは、まさにジャッキー映画史のターニングポイントとなった作品群なのである。

監督と激しく対立『プロテクター』今こそ鑑賞の意義

『プロテクター』は、『燃えよドラゴン』(1973年)のロバート・クローズを監督に迎えたハリウッド進出作『バトルクリーク・ブロー』(1980年)に続く、ジャッキー主演アメリカ映画の第二弾。

監督は『エクスターミネーター』(1980年)のジェームズ・グリッケンハウスだったのだが、ジャッキーのキャラクターをまったく理解していなかったグリッケンハウスが『ダーティハリー』(1971年)のようなダークヒーロー映画を作ろうとしたため、ジャッキーと撮影現場で激しく対立。撮影が完了し、グリッケンハウスが帰国したのちにジャッキーは私財を投じて一部シーンの再撮影を敢行して再編集をしたものの、ジャッキーのコミカルな魅力をほぼ封印した作風にファンは困惑したのだった。

だが改めて今観ても、クライマックスのビル・ウォレスとの死闘やクレーンスタントは迫力満点。また本作を経て、ジャッキーの「本物の警察映画が撮りたい」というモチベーションが、傑作『ポリス・ストーリー』を生み出すことになるという意味でも歴史的意義のある作品。この機会に観直してみてほしい一本だ。

必見!『サイクロンZ』はサモ・ハンのリアル打撃路線を継承

さて、続いては『サイクロンZ』。こちらは人によっては「大好きすぎて~」に投票する方も多い作品なのではないだろうか。『プロジェクトA』から始まったジャッキー、サモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウのゴールデン・トリオが揃って出演した最後の作品でもある。

ジャッキーはアクション弁護士役ということだが、本作はサモハンのリアルヒッティング路線を継承したアクションがとにかくすごい。

ユン・ピョウvsキックボクシング(WKA)王者ビリー・チョウの足技対決も強烈だが、なんといっても『スパルタンX』に続いて出演したWKA王者ベニー・ユキーデと、ジャッキーの兄弟子でブルース・リーに認められたアクションの天才ユン・ワーとの2対1マッチがすごい。何も言わずにぜひ観てほしい、必見の一本である。

海外市場開拓に挑んだオール豪州ロケの意欲作『ナイスガイ』

そして最後に『ナイスガイ』。こちらは90年代ジャッキー現代劇シリーズの一本で、全米No.1をゲットした『レッド・ブロンクス』(1995年)、ジャッキーのカーキチっぷりがいかんなく発揮された『デッドヒート』(1995年)、警察故事シリーズ第四弾の『ファイナル・プロジェクト』(1996年)、90年代ジャッキーアクションの集大成『WHO AM I?』(1999年)といった作品群に埋もれてしまった不運の作品だ。

本作でのジャッキーはオーストラリア在住の人気料理人役。実はジャッキーは俳優としての下積み時代に、両親の住むオーストラリアでコックの仕事をしていたということで、本人のキャリアを彷彿とさせる設定でもある。

監督は盟友サモ・ハンで、全編オーストラリアロケを敢行。出演者もほとんど欧米人という海外市場を意識した作品となっている。巨大ダンプで高級車を踏み潰しながら豪邸を一軒丸ごとぶっ壊す豪快なシーンも話題になったが、まさかのクライマックスの1対1バトルがないのはさらに驚いた。『シティーハンター』(1993年)以来4年ぶりにリチャード・ノートンとの共演だったのに残念……しかし、スタントシーンは多彩なものが用意されているので充分楽しめる作品である。

今回紹介した3作は、世間的な評価が低い『プロテクター』を含めてどれも重要な作品。他作品も含めて是非この機会にご鑑賞を! なお、名作の見どころやウラ話などを副音声で解説しながら鑑賞する番組「副音声でムービー・トーク!」では、『ポリス・ストーリー/香港国際警察[4Kリマスター版]』を放送する。

『プロテクター』『サイクロンZ』『ナイスガイ』ほかジャッキー・チェン作品はCS映画専門チャンネル ムービープラス「特集:24時間ジャッキー誕生祭」で2024年4月放送

「ポリス・ストーリー/香港国際警察[4Kリマスター版]◆副音声でムービー・トーク!◆」はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2024年4月放送

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