熱川に九份が灯る 約800個の台湾提灯が温泉街を幻想的な雰囲気に 大地震被害の「一日も早い復旧と復興を」=静岡・東伊豆

静岡県東伊豆町の熱川地区では4月6日、約800個の台湾提灯を灯すイベントが行われました。

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午後7時から伊豆急伊豆熱川駅前で点灯式を行い、カウントダウンの後、提灯を一斉に点灯。夜間の温泉街が幻想的な雰囲気に包まれ、太鼓の演奏や中華獅子舞の演舞が花を添えました。小籠包など、台湾料理を提供する出店もあり、長い列ができていました。

4月3日には台湾東部沖地震が発生。甚大な被害が発生していることを受け、点灯式の冒頭では、参加者が黙とうを捧げました。東伊豆町の岩井茂樹町長があいさつに立ち「この度の地震で、命を失われた方々へ哀悼の意と、そして、被害に遭われた皆様方へ心からお見舞いを申し上げ、また、一日も早い復旧と復興を心から祈念申し上げます」と話しました。

点灯式の会場では、災害義援金の受付窓口が設けられ、多くの人が募金をしていました。募金を終えた地元の人は「私は熊本の出身なんですよ。熊本の地震があったじゃないですか。熊本城とか、あの辺でよく子供のころ、遊んだものだから。それで台湾地震があったじゃないですか。だから、他人事とは思えなくて」と振り返りました。募金した人には「台湾頑張って」などのメッセージ入りのオリジナルステッカーが配られました。

イベントの最後には「空飛ぶランタン」と題して、約60個の白いランタンを夜空に浮かべました。ランタンに「台湾加油(台湾頑張って)」と書き込んだ人がいました。

「東日本大震災の時も、いつも震災の時には、台湾の皆さん、たくさん募金をしてくださって、いつも日本に寄り添ってくださっているので、きょうはこのイベントに合わせて、ぜひ台湾の人に寄り添っていきたいと思います」

ランタンの背後の空には花火が打ち上がり、ランタンをきれいに照らしていました。

東伊豆町の関係者が2023年、台湾で観光PRを行い、世界的な観光地の九份を訪問。大量の赤提灯が灯る幻想的な風景を見て、熱川の温泉街に似ている雰囲気を感じ、同じように提灯を並べるアイデアが浮かんだということです。

台湾観光庁や台湾観光協会の協力を得て、約800個の提灯を台湾から直輸入。温泉街に並べました。初開催の今回のイベントは「熱川に九份が灯る」と名付けられました。台湾料理や地元グルメの出店は、点灯式当日だけでしたが、街なかの提灯は常設。今後も夜間に点灯されます。

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