「同僚を最終アタックで追い出した!」角田裕毅、リカルドを押しのけた予選Q3進出を専門メディア称賛! 本人は「最初のステップは完了」と満足

F1第4戦の日本グランプリは4月6日に予選が行なわれ、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は3戦連続でQ3進出を果たし、決勝は10番グリッドからスタートすることとなった。

午前のフリー走行3回目では21周回で全体9番目となる1分30秒341のベストタイムを計測した23歳は、予選Q1ではダニエル・リカルドに次ぐ12番手のタイム(1分29秒775)だったが、Q2では最終アタックで1分29秒417とチームメイトを0.055秒上回って10番手に滑り込み、日本GPでは昨季に続いての最終ラウンド進出を果たした(Q3のベストタイムは1分29秒413)。

今週末はここまで全てのセッションでトップ10入りを果たしており、残る決勝でもこれを維持することが期待される角田は、自身のSNSで「(観客の)皆さんの前でQ3に進出できたのは、特別なことです(攻略)」と喜びを表わした他、チームの公式サイト等を通して、以下のようなコメントを残している。

「オーストラリアで力強いパフォーマンスを発揮できた後ということで、少しプレッシャーを感じていましたが、それは良いものであり、家族や友人、そして地元のファンの前でQ3に進出できたことが、とても嬉しいです。予選自体は、予想より簡単ではありませんでしたが、全体的にチームとして素晴らしい仕事ができました。車やセットアップを最大限に活用し、その最高のパフォーマンスを引き出す方法を引き続き学んでいます」

「サーキットやファクトリーでサポートしてくれたエンジニアやメカニックのサポートなしには、この結果を達成することができませんでした。だから、彼らには本当に感謝しています。ダニエルも素晴らしい仕事を果たしたので、決勝でポイントを獲得する可能性は十分にあると思います。1ポイント以上を獲得できるかもしれないので、ベストを尽くします。最初のステップは完了し、次は明日のレースでトップ10に入ること。ここではまだ入賞したことがありませんが、全力を尽くして完璧なレースを目指します!」

RBのレーシングディレクター、アラン・パーメインは、「もちろん、ユウキが再びQ3に進出できて、非常に満足している。彼にとって素晴らしい努力であり、ダニエルもわずか数百分の1差で、今日はパッケージを最大限に活用した。(中略)新しいフロアは完璧に機能し、間違いなくパフォーマンス向上に役立っている。チームにとって良い結果であり、明日もこの良い調子を維持し、できるだけ多くのポイントを獲得できるよう努めなければならない」と、ポジティブに予選を振り返った。
各国メディアの報道を見ると、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は、「角田は各セッションでチームメイトを抑えた。しかしリカルドも、Q2進出は逃したものの、角田との差はわずか0.055秒差であり、この結果は車の性能を証明し、週末ごとに向上を続け、ポイント争いに加われるようになっていることを示している。レースではポイントを獲得することが重要であり、特に角田は日本のファンのアイドルとして、母国レース初のトップ10入りを果たすことが重要だ」と綴っている。 一方、ドイツのF1専門サイト『FORMEL1.de』は、「ユウキはF1で、これまで以上に素晴らしい状態にあると確信している。現時点で彼は、第2集団の注目の的となっている。この日本人ドライバーは、鈴鹿でのホームレースで3戦連続でのQ3進出を果たすとともに、3戦連続で第2集団最高のドライバーとなった」と、トップ5に見事割って入っている角田に賛辞を贈った。

続いて、オランダのF1専門サイト『GRAND PRIX RADIO』は、「角田は、Q2での最終アタックでチームメイトをトップ10から追い出した。日本人ドライバーはスタンドの大勢のファンから声援を受け、日曜のレースでは10番手からスタートする。彼はオーストラリアで6ポイントを獲得した後、チームの上昇傾向を継続することを望んでいる」と伝えている。

最後に、英国のF1専門サイト『PLANETF1.COM』は、「リカルドの棺に最後の釘を打ったのは角田だった」との表現でチーム内対決の結果を報じた他、「日本GP予選の勝者と敗者」という記事において角田を「勝者」のひとりに選定し、「リカルドを押しのけてQ3進出。Q3では自己ベストを更新できなかった。レースではポイント獲得のための争いが待っているが、角田が10位の有力候補にならないという理由は何もない」と、入賞に期待を寄せた。

構成●THE DIGEST編集部

© 日本スポーツ企画出版社