U23アジアカップメンバーにも選ばれ充実の川崎CB高井幸大。ふたりの先輩や指揮官が改めて称賛するポイントとは?

3連敗のあとに、FC東京との多摩川クラシコを3-0で制し、続く横浜とのアウェー戦は退場者を出しながら0-0のドロー。

徐々に復調する川崎において、今節の町田戦でも注目を集めるのが、19歳のCB高井幸大だ。高井は先日、発表のあったパリ五輪のアジア最終予選を兼ねたU23アジアカップのメンバーにも選出。この町田戦を境にチームから離れるだけに期する想いもあるだろう。

2022年2月に高校生ながらプロ契約をかわし、川崎での実質3年目を迎えた19歳はこれまで調子の波や守備対応を課題として指摘されることもあったが、背番号2を継承した今季は責任感が増した印象だ。

そんな高井に先輩たちや指揮官も期待を寄せる。

まずここ数戦でCBを組むジェジエウはこう語ってくれた。

「ゲーム中でもすごくコミュニケーションを取れるようになってきましたし、彼は成長できる、しなければいけない選手だと思います。もっともっと吸収して素晴らしい選手になっていけると思います」

ちなみに高井とは日本語とポルトガル語をミックスさせて意思疎通を取っているということで、最近よく使う言葉は「ウシロジュンビネ(後ろ準備ね)」だという。

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また最後尾で高井の成長を見守るGKチョン・ソンリョンもそのポテンシャルを推す。

「判断は試合を重ねるごとに良くなっていますし、代表にも行ってきましたし、そういう経験がプラスになったはずです。僕も昔、代表に行ったりしていましたが、そういう経験がチームに還元できる、成長できるチャンスだと思っています。彼は日本を代表する選手、それほど期待しています」

ちなみに今季から高井が背番号2を付けることから、背番号1のチョン・ソンリョンとはロッカーが隣になり、話をする機会も増えたという。

そして鬼木達監督もこう評した。

「(U23アジアカップは)頑張ってほしいですし、この数試合やいろんな取り組みの姿勢を見れば、選ばれる存在だったと感じています。そういう意味で言うと、世界の舞台、アジアの舞台でどれだけ戦えるか、また同年代の戦いになるので、だからこそ引っ張っていけるような、それくらいの気持ちで挑んでもらいたいです。

(今季の変化は)本人の良さを出しているところだと思います。ひとつは球際の競り方だとか、スピード勝負になった時に慌てずにやっているところ。あとは少しずつですが、責任感が出てきているのかなと思います。自分の出たゲームで負けたくないという気持ちを含めて、そういうものが出てきているので、そこは頼もしく思っています。

やっぱり慌てずに、やり続けることが大事だと思っています。そういうところで過度な緊張でもなく、リラックスしすぎるわけでもなく、適度な良い精神状態でサッカーをやれているのが重要なので、マッチしているのかなと思います。

どこのポジションもやらせていきたいと思えるような、ポテンシャルを持っていますので、指導者の目としてもいろんな可能性があるなと見ています」

成長著しい高井が、今後どんなプレーを見せてくれるのか楽しみだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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