吉高由里子『光る君へ』視聴率が『どうする家康』以下でも狙い通りか ドロドロ展開の女性のための大河ドラマ

吉高由里子(C)ピンズバNEWS

吉高由里子(35)主演のNHK大河ドラマ『光る君へ』の第14回「星落ちてなお」が4月7日に放送される。前週の第13回「進むべき道」の平均世帯視聴率が10.9%(すべてビデオリサーチ調べ/関東地区)と伸び悩んでいるが、物語は画期的な展開を見せ始めてきた。

倫子(黒木華/33)と明子(瀧内公美/34)が道長(柄本佑/37)の妻となる一方で、まひろ(吉高)は妾になることを断り、女たちの関係がドロドロしはじめた本作。脚本の大石静氏が《平安時代のセックス&バイオレンスを描きたい》と発言するなど、今までにない大河を目指しているのは明らかで、内容も女性をフィーチャーしたものになってきている。

3月31日放送の第13回は、兼家(段田安則/67)が摂政となって4年。一条天皇(柊木陽太/12)が元服を迎え、わずか20日に道隆(井浦新/49)の娘・藤原定子(高畑充希/32)が入内。道隆たち中関白家が絶頂期を迎え、兼家の後継争いが始まろうとしていた。一方、為時(岸谷五朗/59)は官職を得られず、まひろは貧しい暮らしが続いている。

そのため、まひろは雇ってほしいと屋敷をまわって頼んでいたが、その話が倫子のもとに入り、道長との娘・彰子の面倒を見てほしいと、まひろに文が来る。まひろは倫子を訪ね、仕事は先に決まってしまったと断る。すると倫子は、道長の文箱に入っていたという、漢詩で書かれた文を見せる。それは自分が送ったもので、まひろの心は乱れるが……という展開。

黒木華の演技が素晴らしく、X(旧ツイッター)上では、《倫子様が黒木華さんで良かったなぁ。道長とまひろが結ばれなかった悲しさはあるけど、それを黒木華さんの好感度でどうにか打ち消してる》《倫子さまが良い女すぎて泣いた…本来は恋敵キャラなんだけど、黒木華さんが演じると倫子さまに肩入れしたくなっちゃうよな》など、称賛の声が多い。

■メインは完全に女性陣

「まひろに道長の浮気の相談をするなど、事情を知っている視聴者からすると、目も当てられない展開なのに、倫子が嫌味な女にならない。これは、女優・黒木の力量にほかならないでしょう。明子(瀧内)も、恨みのある兼家を執拗に呪おうとするなど、女性陣の好演が目立った今回。まさに女性の大河ドラマになってきました」(ドラマライター/ヤマカワ)

ドロドロ系が評判の脚本家・大石静氏が、いよいよ本領を発揮しはじめたようだ。しかし、視聴率が低いのが気になる。このままでは、大コケといわれた松本潤(40)主演の前年作、『どうする家康』の全話平均視聴率の11.2%を下回りそうだがーー。

「そもそも、時代劇ファンが多い男性のウケは狙っていないのでしょう。見てくれれば御の字というのが、おそらく本音。男性に期待していないのなら、この数字は十分、大成功といえるのではないでしょうか」(前同)

男たちの権力争いを尻目に、女たちのたくましさすら感じられる、かつてない大河といえる『光る君へ』。まひろ/紫式部(吉高)、倫子(黒木)、明子(瀧内)だけでなく、定子(高畑)、ききょう/清少納言(ファーストサマーウイカ/33)らも、女たちのドロドロに加わってきそうな、今後の展開に注目したい。

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