高低差は“ナイアガラ級”/今こそ聞いちゃうマスターズの“マ”

4月11日(木)にジョージア州のオーガスタナショナルGCで「マスターズ」が開幕します。松山英樹が2021年に優勝した大会は、男子ゴルフの世界最高峰のトーナメント。いまさら他人に聞けない基本をコッソリおさらいします。

10番ホールの打ち下ろしがヤバい

「ひいー」という悲鳴が聞こえてきそうなほどのアップダウン(撮影/今井暖)

見渡す限り一面、緑色。凛とそびえたつ松の木に、真っ白なバンカーと、色とりどりの花々。テレビで見ても、実際に目にしても、美しさばかりが際立ちますが、オーガスタナショナルGCはアップダウンの激しいホールが連続するのも難しさのひとつです。

もともと果樹園だった土地の地形を生かして広大な傾斜地に作られたゴルフ場。最も高いエリアにあるクラブハウスの前や1番ホールのティイングエリア、18番ホールのグリーンからは眼下にたくさんのホールが望めます。つまり、それほど高低差が大きいということ。一番低い地点にある12番ホールとの差は175フィート(約53.34m)もあり、ナイアガラの滝の落差(176フィート)とほぼ同じだといいます。

キャディさん、お疲れ様です。(撮影/今井暖)

上りのホールで大変なのは、8番(パー5)。ティイングエリアからグリーンまでの高低差は61フィート(約18.59m)で、台座を含め約18mの奈良の大仏よりも高い…。打ち下ろしのホールはというと、10番(パー4)はティとグリーンの差は116フィート(約35.35m)。11階、12階建てのマンションとほぼ同じだそうです。

それだけ“傾いている”ゴルフ場ですから、ティイングエリアを除けば、平らなところからショットを打てる機会が少なくなるのも当然でしょう。

また、打ち上げのホールでは、見えないグリーンに向かって打つところもたくさん。だからこそ、ショットの正確さだけでなく、ボールを落とす所をイメージする想像力と経験がモノを言います。もちろん、まるで山登りのようなアップダウンを繰り返す体力も欠かせません。

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