米財務長官、中国副首相と会談 「均衡の取れた成長」協議へ

David Lawder

[広州(中国) 6日 ロイター] - イエレン米財務長官は6日、中国の何立峰副首相と会談し「均衡の取れた」経済成長について協議を開始することで合意したと述べた。中国の過剰生産能力に対する米国の懸念に対処する。

マネーロンダリング(資金洗浄)対策で協力するフォーラムを立ち上げることでも合意した。

イエレン氏は広州で2日間にわたって経済問題を協議。協議終了後に発表した声明で「過剰生産能力との関連も含め、マクロ経済の不均衡に関する議論を促進する。私はこの機会を利用して、米国の労働者と企業のために公平な競争条件を提唱したい」と述べた。

6日の何副首相との会談は4時間半にわたって行われた。イエレン氏は生産的で率直な会談だったとの認識を示した。

イエレン氏は今回の訪中で、電気自動車(EV)、ソーラーパネルなどクリーンエネルギー製品の過剰生産を抑制するよう中国側に求めることを最優先課題にしている。これに対し、中国国営新華社通信は、米国が「中国脅威論」を蒸し返し、一段の保護主義政策の口実にしようとしていると指摘した。

米財務省高官によると、イエレン氏は、中国がEV、ソーラーパネルなどクリーンエネルギー製品の過剰生産につながっている国家補助金を削減しない場合、米国が関税引き上げなどの貿易障壁で対抗するとの姿勢は示さなかった。

イエレン氏は「中国の産業戦略が米国に及ぼす影響──米企業の競争が難しくなる輸出品が市場に氾濫する可能性──をわれわれがいかに懸念しているか、中国は認識していると思う」とし「他国も同じ懸念を抱いている」と発言。

今回立ち上げで合意したフォーラムが複雑な問題を議論する「構造的な」手段になるが、問題の解決には一定の時間がかかるだろうと述べた。

新華社は両氏の会談について「率直で現実的かつ建設的」だったとし、両氏が均衡の取れた成長と金融の安定についてさらに協議することで合意したとの声明を発表した。

声明によると、中国側は会談で米国の対中経済・貿易規制について深刻な懸念を表明し、生産能力の問題についても全面的に回答した。

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