10人の町田、なぜ川崎に勝てた? 黒田監督が「選手たちにも話をしてきた」チームの肝。主将の奮闘も称賛「最後まで締めてやってくれた」

首位の座をキープした。

前節は広島に1-2で敗れ、今季初黒星を喫した町田は4月7日、J1第7節で川崎と敵地で対戦。32分に藤尾翔太が奪ったゴールを最後まで守り抜き、1-0で勝利した。

試合後のフラッシュインタビューで、黒田剛監督は次のようにゲームを振り返る。

「前線からの守備がしっかりと構築され、前回のような、ちょっとボールに行けないということが、今日はだいぶ改善されたと思います。そういう意味では本当に、強気で前に行ってくれたフォワード陣も含めて、よくクリーンシートで守り通してくれたなと思います」

リードを得た前半は、ほとんど川崎の良さを出させなかった。

「前からの規制というのは、我々の1つ、肝ですので、そこをしっかりとしていく、または交代選手を含めて、我々の体力、またはゲームの流れを持続していくということは、選手たちにも話をしてきた。それをまさに彼らが、退場者は出しても、本当に最後まで粘り強く、辛抱強くやってくれたなと思います」

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指揮官が話すとおり、71分にGK谷晃生が一発レッドで退場に。後半の途中からは10人での戦いを余儀なくされた。

「まだ10数分あったので、難しい状況にはなりましたけど、キャプテンの昌子を入れながら、最終的にはゴール前でしっかりと弾き返すというところは、我々のコンセプトにしていたので。そういう意味では、キャプテンが最後までしっかりと締めてやってくれたなという印象です」

J2を制した昨季は一度も連敗がなかった。J1の舞台でも、そうした強さが続いている。

「負けグセ、または失点グセをつけると、泥沼にハマった時、なかなか抜けられない状態になるので。しっかりと、これが自分たちのサッカーなんだ、町田のサッカーなんだということをきちっと証明したなかで、選手たちがこれに自信をつけて、また次節以降に臨んでもらえればなと思います」

次節は昨季王者の神戸とホームで相まみえる。パリ五輪アジア最終予選を兼ねるU-23アジアカップに臨む大岩ジャパンに名を連ねる藤尾、そして平河悠の主力2人が不在となる。黒田監督は「本当にその穴はなかなか埋まらないと思うし、厳しい状況ではあります」と語りつつ、「そこは気持ちで補えるように、チーム一丸となって乗り切りたい」と言葉に力を込めた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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