人の細胞でマウス肺再生 東北大、人工臓器に弾み

 東北大は、マウスの肺から細胞を取り除き、残った組織に人の細胞を加えて培養した「ハイブリッド人工肺」を作製したとする研究成果を4日付の英科学誌に発表した。この人工肺を別のマウスに移植し、血流が再開したことを確認した。チームは「人工臓器研究に弾みがつく」としている。

 生物由来の組織を利用した人工臓器は、移植医療の臓器ドナー不足を補う可能性があると期待される。チームは人のサイズに近いブタなどの臓器で検証を進める方針。

 チームはマウスの肺から薬剤で細胞を除去。残ったコラーゲンなどの組織に、人の血管内皮細胞を注入して肺の血管網を再生させた。別のマウスに移植し、血流が再開したことを確認した。

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