ガチ中華にはストロング!?…中国の焼酎「白酒」が注目されている理由

お祝いの席や贈り物にピッタリ

中国伝統の蒸留酒「白酒(バイジュウ、パイチュウ)」をご存じだろうか。無色透明でアルコール度数が50%前後と高く、独特の香りがするのが特徴。近年のガチ中華ブームに乗って、認知度がアップしてきた。今回取り上げる「酉方(とりかた)」も人気銘柄のひとつ。輸入販売を手掛ける「創賢商事」(大阪市)の朱江代表に今後の可能性を聞いてみた。

中国特産の蒸留酒「白酒」とは

アルコール度数53%のストロングなのに、口当たりがよくてのぼせにくい。そんな中国伝統の蒸留酒「白酒」の人気銘柄「酉方」が日本に上陸したのは2022年11月のこと。折からの本格中華ブームが広がり始めたころだ。朱江代表がそこに目を付けた。

「本格中華には白酒がぴったり。そう思って直接、酒蔵と契約しました。油っこい料理や辛い料理に合わせ、白酒を飲むと、口の中の油っこさが洗い流されて、さっぱりします。日本でも焼肉店や居酒屋さんに向いていると思った」

そのそも白酒は中国で古くからつくられてきた伝統酒。ウイスキー、ブランデーと並んで世界三大蒸留酒のひとつとされ、色が透明なことから白酒と呼ばれている。

日本で中国酒と言えば赤茶色のトロリとした舌ざわりの「紹興酒」を真っ先に思い浮かぶが、これはコメが主な原料の醸造酒でジャンルとしては黄酒。対して白酒は小麦やコウリャンという穀物を原料にした蒸留酒でアルコール度数が40~70度と高いのが特徴だ。日本で言えば、焼酎に近い。

本格中華のおともに最適
弟分の「今日宜」はお手ごろ価格で本格的な白酒が楽しめる

中国本土では紹興酒よりも人気

朱さんによると、白酒は中国を代表する高級酒でもあり「中国現地では贈答用や接待、宴会など客をもてなすお酒として広く飲まれており、人気は紹興酒の倍以上」とのこと。宋代(960年~1279年)からつくられはじめ、製法や原料、味わいによって主に「醤香(ジャンシャン)」「濃香(ノンシャン)」「清香(チンシャン)」の3種類に分けられるという。

「白酒の都」でつくられた「酉方」

なかでも一大産地として知られているのが中国内陸部にある貴州省だ。特に茅台鎮は良質な土壌と水、高温多湿という独特の風土の恩恵を受け、街中に酒蔵が連なり「白酒の都」とされる。今回、朱さんが販路拡大に乗り出した「酉方」もここでつくられており、高級酒として名高い「茅台(マオタイ)」と同じ香り豊かな醤香タイプの流れをくんでいる。

様々なイベントを通じて「酉方」の認知度アップ

お酒を楽しむ…酉方に込められた思い

「酉方は希少な赤コウリャンをたっぷりと使い、伝統的な独特の製法でつくられています。それと”酉”は酒を入れる壺からうまれた象形文字で、のちに酒へと派生。”方”は酒造りには最適な月とか、酒を飲むにはいい時間という意味があります」

中国ではストレートで飲むのが一般的とのことで実際に中国風のショットグラスに注いで味わってみたが、口に入れた瞬間にスーッと鼻から抜け、さわやかなフルーティーな香りに包まれた。苦みや雑味など一切ない。ただ、最近では飲みやすさを求め、カクテルやハイボールなどを提供する飲食店も増えて来ているという。また認知度を上げるイベントも盛んに実施している。

中国を代表する高級酒だけに、気になる価格は1本(500ミリリットル、2万2000円)で小瓶(100ミリリットル、4400円、ともに税込み)となっている。高級酒でありながら価格をセーブしてくれているのはありがたいかぎり。また姉妹品の「今日宜(きょうよし)」は1本(100ミリリットル、960円)と比較的手ごろな価格となっている。

瀋陽出身で大阪に来て21年。「東京は好きじゃない」と、すっかり関西人になったと笑う朱さんは起業して10年目となる。「検査基準も上がっていますし、商品の品質には自信があります。今後も日本のいい商品を海外に、中国のいいものを日本に広めていければ」と話している。

すっかり関西人になった「創賢商事」の朱江代表取締役

◇創賢商事
大阪市北区中崎西4-3-32ARCA梅田ビル601
電話06(6131)7017
事業内容=化粧品、ベビー用品、日用雑貨、食品、健康食品、ファッション衣類及び食品の企画、販売並びに輸出入
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