池袋暴走事故、受刑者が謝罪 遺族「決意無駄にしない」

飯塚幸三受刑者から回答を受け取った松永拓也さん=7日午後、東京都内

 2019年の東京・池袋の乗用車暴走事故で妻子を亡くした松永拓也さん(37)が、関東地方の刑務所に服役する旧通産省工業技術院元院長の飯塚幸三受刑者(92)=禁錮5年の実刑確定=に送った質問に対し、回答があったことが7日、分かった。松永さんが明らかにした。飯塚受刑者は松永さんの妻真菜さん=当時(31)=と長女莉子ちゃん=同(3)=に対し「申し訳ないです」と謝罪の意を示したという。

 質問は遺族の心情を刑務所職員が聞き取って受刑者に伝える法務省の「被害者等心情聴取・伝達制度」を使い、先月22日に伝えた。結果通知書は6日に郵送で届いた。松永さんは「彼の決意を無駄にせず、回答を高齢ドライバーによる事故の防止に向けた活動に生かしたい」と話した。

 通知書によると、飯塚受刑者は「どうすれば事故を起こさずに済んだか」との質問に「運転しないことが大事です」と回答。家族からどんな声がけがあれば運転をやめていたかには「強く言われていたら」と答えた。回答の公開を承諾し、松永さんが希望する面会にも応じる考えを示した。

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