10人の町田が川崎に勝ち首位をキープできた理由。黒田剛監督が用意していた退場者が出た時の対応策

[J1第7節]川崎 0-1 町田/4月7日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

前節、広島に敗れた町田はアウェーで川崎と対戦すると、後半にGK谷晃生が退場しながら、32分の藤尾翔太のゴールを守り切り、首位の座を守った。

前半は主導権を握った町田だが、後半はホームの川崎の反撃に遭い、苦しい時間も迎えた。そして71分には抜け出した川崎FW小林悠をペナルティエリア外でGK谷が倒し、一発レッド。

しかし、町田は経験豊富なDF昌子源らを投入して、川崎の攻撃を跳ね返し、キッチリ勝点3を掴んでみせた。

町田は1-1で引き分けた今季の開幕戦も60分に仙頭啓矢が2枚目のイエローで退場になり10人の戦いを強いられていた。その対応策をしっかり準備ていたというのだ。

【動画】町田らしい速い攻撃が炸裂! 藤尾翔太の決勝弾

「まだ10数分あったので、かなり難しい局面かと思いましたが、昌子がしっかり入り、最終ラインをまとめてくれたこと、交代選手を含めみんなが最後まで集中力を切らさず、ゴール前でしっかり弾き返してくれたことを含め、よくやってくれたなと思います。連敗をすることなく次の国立へ向けて、メンバーが多少(U23アジアカップで藤尾翔太、平河悠が)いなくなりますが、しっかり集中していきたいです。

あとは1800名のファン・サポーターが、現地に足を運んでくれて我々の背中を押してくれたこと、苦しい時に勇気を与えてくれたことに本当に感謝したいです。次のゲームも笑顔になって帰ってもらいたいということを合言葉に、精一杯、選手たちと躍動して頑張っていきたいです」

そう試合を振り返った黒田剛監督はこう続けた。

「(退場者を出した後は)5-3-1という形で、できるだけ前で時間を作りたかったということと、逆サイドのところはひとり置き去りにしても良いという状況でした。

開幕戦のガンバ戦は、なかなか退場者を出したシチュエーションまでトレーニングはしていなかったので、上手く対応できなかったところもありましたが、次の節からしっかり退場者を出してひとり少なくなっても、前からプレスをかけ続ける、またはミドルプレスからしっかり回収して攻撃に結びつけるトレーニングはいくつかしていました。

そういう意味では放り込まれたら我々の強みが出ると思っていましたので、最終ラインのところで放り込まれる分には問題ないという形で対応できたのは、すごく良かったと思います。ひとり少ないなかで昌子中心に対応できたことは成長につながったかなと思います」

改めて黒田監督のマネジメントが光ったゲームだったとも言えそうだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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