岩佐歩夢、初のFP1出走を振り返り「すごく大きな経験になった」2024年の最優先事項と家族に見せたい姿/F1日本GP

 2024年F1第4戦日本GPの金曜フリー走行1回目(FP1)に出走し、F1公式セッションデビューを果たした岩佐歩夢(RB)。FP1出走という明確な仕事が与えられたことで、岩佐はこの日本GPにおいて、より密接にF1の世界を経験することとなった。

 7日の決勝レース終了後、岩佐は「2023年の日本GPではレッドブル・レーシングに帯同しましたが、今年はRBで、FP1への出走がありましたので、その時の帯同とは結構違う部分もありました」と振り返った。

「もちろん、今までも(ファクトリーの)オペレーションルームに入ったりなど、(現地入りはなくとも)F1のチーム自体には帯同していたので、チームの違いはあっても大体の動きは一緒でした。そのため、新たに学ぶこと自体は少なくなっています」

「ただ、FP1を自分で走ることで、セッションの見方や追い方などは変わりました。そして、今後のシミュレーターワークに向けては、また自分の中で改善できる部分が出てきましたし、チームでも新たにできることがあると感じることができましたので、やはりすごく大きな経験になったと思います」と岩佐。

2024年F1第4戦日本GP 岩佐歩夢(RB)

 岩佐のFP1出走に関しては、RBをはじめ、ホンダ・レーシング(HRC)でエグゼクティブアドバイザーを務める佐藤琢磨、HRSのバイスプリンシパルでありDAZNのF1解説を務める中野信治、さらには全日本スーパーフォーミュラ選手権で2度王者に輝き、今季TEAM MUGENで岩佐のチームメイトである野尻智紀など、各方面からその仕事ぶりを評価する声は少なくはない。

 ただ、高評価を得たF1公式セッションデビュー後も、岩佐には浮き足だった様子は一切なかった。自身の最大目標である“F1のワールドチャンピオンであり続けるドライバー”に向けて、自らがやるべきことがなにかを改めて口にした。

「自分のドライバーとしてのパフォーマンスに関しては、FP1に乗ったことで見えたこと、自信になったところは結構ありました。そこはまずポジティブに捉えていますし、今後もチャレンジをしていきたいと思います。ただ、今年の自分にとってはまず、スーパーフォーミュラでタイトルを獲ることが明確なターゲットで、一番のプライオリティ(優先事項)です。まずはそこに向けて集中します」

「それとともに、F1のシミュレーターワークにも全力で挑むことによって、自分で学び、成長できるポイントがあると思います。今回のFP1出走もそうですが、そこで(シミュレーターワーク)でしっかりとパフォーマンスできているから、今回のチャンスに繋がったと思うので、シミュレーターワークに関してもしっかりと、全力で挑んでいきたいと思います」

2024年F1第4戦日本GP 岩佐歩夢(RB)

 なお、今回のFP1出走時、RBのピットガレージには岩佐の家族の姿もあった。岩佐の父、母はともにドライバーとしてモータースポーツに参戦した経験もあり、岩佐家は筋金入りのモータースポーツ一家だ。

「両親含め、家族がモータースポーツをやっていたこともあり、(昔は)逆に『F1の世界に到達することは不可能』だと言われたこともありました(笑)。でも、自分の中ではF1に行けるという自信がありました。自分を信じてずっとサポートしてくれている家族に、(今回のFP1出走は)まだまだ上にいく自分のステップのひとつを、直接見せることができてよかったと思います」

「ただ、自分はまだまだこれから上に行きます。(家族には)その姿を見てもらいたいと思います」

 岩佐にとって、今回の日本GPでのFP1出走は、自身の最大目標である“F1のワールドチャンピオンであり続けるドライバー”に向けたひとつの通過点に過ぎない。しかし、夢へ向けた歩みを進めるために欠かすことのできない経験となったに違いない。

2024年F1第4戦日本GP 岩佐歩夢(RB)
2024年F1第4戦日本GP フリー走行1回目を走行する岩佐歩夢(RB)
2024年F1第4戦日本GP 岩佐歩夢&リアム・ローソン(RB)

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