荒木がいなくても松木がいる。2アシストを決めた鹿島戦で示した底力。試合後に語った指揮官から「求められているところ」とは?【FC東京】

2024年4月7日、国立競技場で開催された鹿島とのホームゲームをFC東京は2-0で制した。勝利の立役者のひとりが、2アシストの松木だ。

55分に正確なアーリークロスで仲川のヘッド弾を演出すると、後半のアディショナルタイムには原川のゴールをお膳立て。パリ五輪のアジア最終予選を戦うU-23日本代表に合流前の試合できっちりと結果を残すあたりは、さすが松木である。

1点目のアシストについて、松木は「ピーター(クラモフスキー監督)から求められているところ」と言った。

「カシーフくん(バングーナガンデ)からボールを受けた時にピーター(クラモフスキー監督)から個人的に求められているところで、あそこからだったらアーリークロスも狙っていけと言われていた。ちょうどテルくん(仲川)が走っているのが見えて上手く合わせることができて良かったです」

2点目は「リキくん(原川)がスーパーだった。アシストをつけてくれて、ありがとうございますという感じです」と松木は得点者の原川を称賛したが、あそこで冷静に原川を使った判断は掛け値なしに素晴らしかった。

鹿島との契約で好調の荒木を使えなかった鹿島戦。もし引き分け以下で終わっていれば、荒木がいないとダメだと批判されていたかもしれない。そんなプレッシャーを跳ね除けて、2アシストを決めるのだから、このキャプテンの底力は計り知れない。

荒木がいなくても松木がいる。それを強烈にアピールする試合でもあった。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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