CLバルサ戦控えたPSGの“先発11人入替”…リーグ・アン内部から妬み「それが欧州で頂点に立てない理由」

PSGに向けられる冷ややかな目線とは...[写真:Getty Images]

パリ・サンジェルマン(PSG)の先発総とっかえが波紋を呼ぶ。

リーグ・アン首位のPSGは6日、第28節でクレルモンと対戦し、本拠地で1-1のドローに。3日前のカップ戦準決勝スタッド・レンヌ戦から先発11人全てを入れ替え、最下位と引き分けた。

この日のサブ組に目を向けると、GKドンナルンマ、DFのハキミにマルキーニョス、中盤はMFファビアン・ルイス、そしてエースのFWキリアン・ムバッペなどなど。

この、ルイス・エンリケ監督が下した先発総とっかえの判断。すでにリーグ・アン優勝には限りなく近づき、10日に中3日でチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグ・バルセロナ戦を控えることが念頭にあったのは確かだが、フランス国内では冷ややかな目がPSGに向けられる。

同じリーグ・アンからはル・アーヴルのジャン=ミシェル・ルシエ会長がPSGを揶揄。フランス『RMC Sport』を通じ、マンチェスター・シティやアーセナルを引き合いに、「これがリーグ・アンとプレミアリーグの繁栄の差」と語る。

「PSG? あれだけの資金があって、なぜ欧州で頂点に立てないか、もう答えが見つかったようなものだ。誰を起用しようが自由だが、BチームやCチームを国内の試合で送り込むなら、そこに公正な競争はないし、競争力も生まれない」

「絶対的にリーグ・アンに対する敬意を欠いているのがPSG。私はクレルモンの会長と良好な関係なので、PSGではなくクレルモンの幸運を願う」

どうやらルシエ会長は、PSGと同じくCL準々決勝1stレグを控えるシティとアーセナルが、6日のプレミアリーグで100%ベストメンバーとまでは言えずも主力を概ね起用したのに対し、PSGが格下を侮る態度で試合に臨んだと考えている模様。

試合の大小、そして日程にかかわらず、ベストの陣容を送り出すべきか否か。“ベストの陣容”の解釈も1つではなく、この議論に正解などないし、何よりこの日のPSGは決して“Bチーム"ではなかった。

しかし、どうしてもPSGはフランス国内にも、90分間での勝負以外のところで、敵が存在する。

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