【香港】野生のサルに警戒を、市民が襲われ感染[社会]

野生のサルに攻撃された市民がBウイルス病に感染したことを受け、香港政府漁農自然護理署(漁護署)がサルへの警戒を呼びかけている。

政府衛生署衛生防護センター(CHP)は3日、37歳の男性がBウイルス病に感染したと発表した。男性は発熱と意識レベルの低下により3月21日から入院中で、現在は集中治療室(ICU)で治療を受けており、重体だという。男性は2月下旬に九龍地区北部の金山郊野公園(カントリーパーク)を訪れ、野生のサルに接触して負傷したことが分かっている。

Bウイルスはマカク属のサルを宿主とするウイルスで、サルにかまれたり引っかかれたりしてヒトが感染すると、中枢神経系に重い疾患を引き起こすことがあるという。香港でヒトへの感染が確認されたのは初めて。金山郊野公園は野生のサルが多く生息し、ヒトを恐れずに近寄って来ることで知られる。

漁護署によると香港のサルは約2,000頭で、金山郊野公園のほか、九龍と新界地区にまたがる獅子山郊野公園、新界の城門郊野公園が主な生息域。漁護署と香港警察は6~7日、野生のサルに遭遇した際の正しい対処法に関するパンフレットを金山郊野公園と獅子山郊野公園で配布した。

漁護署は、もしサルに遭遇した場合には、食べ物やビニール袋を見られないように片付け、目を合わせないことが大切だと強調。サルが近づいてきたらゆっくり動いて距離を保ち、落ち着いてその場を離れるよう呼びかけた。サルに食べ物を与えることは条例違反であり、最高で1万HKドル(約19万円)の罰金が科される。

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