【巨人】獲得調査に動いた筒香嘉智 古巣・DeNA内部から〝慎重論〟も「若手を使ったほうがいい」

WBCで「日本の4番」も務めた大砲・筒香嘉智

巨人が筒香嘉智外野手(32=ジャイアンツFA)の獲得調査に乗り出していることが7日までに明らかになった。実現すれば5年ぶりの日本球界復帰となる。ただ、2017年のWBCで「日本の4番」も務めた大砲の帰還には古巣・DeNAの内部から〝慎重論〟も飛び出している。

巨人はこの日のDeNA戦(東京ドーム)に3―0で零封勝ち。連敗を2で止め、新加入の高橋礼が移籍後、初白星を挙げた。試合後、阿部慎之助監督(45)は「やれることをしっかりやって、何とか(勝敗を)五分に戻したい」と借金1からの巻き返しへ力を込めた。

その一方、指揮官は5年ぶりの日本復帰が濃厚となった筒香について「調査はしていただいているみたい」と球団が獲得調査に動いていることを認めた上で「選手としては実績十分だし、人間性も素晴らしい」とキッパリ。吉村編成本部長も「彼の日本での実績とか能力は素晴らしい。それは変わらない」と筒香を高く評価していることを明言した。

NPBで通算205本塁打を誇る大砲は、巨人の現在の補強ポイントに合致する。メジャー通算178発の実績を引っ提げて新加入したオドーアが二軍調整を拒否し、開幕3日前にまさかの退団。開幕戦で攻守にわたって大活躍した梶谷は左ヒザの違和感で登録抹消となり、左打ちの外野手が次々と不在となった。

とはいえ、肝心なのは現在の筒香が戦力アップにつながるかどうかだ。古巣のDeNA関係者は「巨人さんも一塁は岡本和、三塁は坂本がいる。左翼の可能性はあるだろうけど、今の筒香は体を大きくした影響で昔ほど動けなくなっている。打撃もこの4年間は最高が8本塁打とかつての輝きが戻るか分からない。若手が出てきているならそっちを使った方がいい」と慎重論を唱えた。

DeNAはどうか。筒香が海を渡る時点から「日本でプレーすることになったらベイスターズに戻ってきてほしい」と一貫してエールを送り続けてきた。しかし、前出関係者によれば「オースティンは一塁しかできないし、三塁には宮崎がいる。左翼は佐野だし今、筒香がウチに戻ってきても試合には出られない」とあくまでも〝社交辞令〟の域を出ないという。

もっとも、先発出場だけが出番ではない。かつての「日本の4番」が代打で控えていれば、打線の迫力は増し、相手にとって脅威となりそうだが…。筒香はどんな決断を下すのか――。

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