女児死亡事故受け現場調査 踏切に警報機、遮断機なし 群馬・高崎で運輸安全委員会

事故現場を調べる運輸安全委員会の調査官ら。踏切には花や飲料が供えられていた=7日午前、高崎市吉井町小暮

 6日に群馬県高崎市吉井町小暮の上信電鉄馬庭―西山名間の天水踏切で、小学4年の女子児童(9)が下仁田発高崎行き上り普通列車(2両編成)にはねられ死亡した事故を受け、国の運輸安全委員会は7日、鉄道事故調査官2人を派遣した。調査官は上信電鉄社員らと共に現場を調査し、事故原因や当時の状況を詳しく調べた。

 現場は、警報機や遮断機がない「第4種踏切」。死亡者が発生したことを受けて同委員会の調査対象となった。調査官のほか、関東運輸局の職員2人と上信電鉄社員5人が立ち合い、現場を調査した。

 調査官は、踏切付近での歩行者からの列車の見え方と、運転士からの踏切の見え方を入念に確認。映像を撮影するなど約1時間半をかけて調べた。

 女児は事故当時、犬と一緒だったとみられる。同委員会はさらに運転士からの聞き取りや事故があった列車の確認などをした上で調査報告書を作成し、1年以内を目安に公表するという。

 同委員会の横飛雅俊鉄道事故調査官は現地調査後、「情報をまとめて分析し、必要な対応を報告書に記載する」と話した。

 現場の踏切には花やジュースが手向けられ、静かに手を合わせる親子連れらの姿が見られた。

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