中国人労働者を悼む 第二次大戦中に50人死亡 「強制連行のこと知って」 群馬・太田で慰霊祭

中国人の死者をしのび、平和への思いを新たにする参加者

 戦時中に労働力として日本に強制連行されて死亡したとされる中国人の慰霊祭が7日、群馬県太田市西長岡町の長岡寺で開かれた。主催した日本中国友好協会県連合会(羽鳥知容会長)のメンバーや地域住民約70人が参加し、平和への思いを新にした。

 同会によると、第2次世界大戦末期の1943~45年に約4万人の中国人が日本各地に連行された。強戸村(現太田市)では、45年4月から旧中島飛行場の地下工場建設工事に276人が従事し、過酷な労働により終戦までの4カ月間に50人が亡くなったとされる。

 同寺は、計画された地下工場建設現場に近いことから遺骨を引き取り、53年から毎年慰霊祭を行い、今回が72回目。77年には慰霊碑を建立している。

 慰霊祭では酒井晃洋住職が読経し、参加者が焼香し、慰霊碑に手を合わせた。酒井住職は「台湾で地震が発生し、日本にも津波の影響があった。国は違っても住む地球はつながっている。同じ地球に住む仲間意識があることで、長年にわたり慰霊祭を開催できている」とあいさつした。

 羽鳥会長は「日中関係がどのようなときでも、長く開催してきたことに意義がある。両国関係が改善するように多くの日本人に強制連行があったことを知ってほしい」と呼びかけた。

 慰霊祭の後、地元関係者らは近くの地下工場建設現場だった場所に足を運び、学習会を開催した。

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