北海道登別市/新庁舎実施設計公表、規模は2階建て延べ7000平米

北海道登別市は、建て替えを計画している市役所本庁舎の実施設計をまとめた。新庁舎の規模はRC造2階建て延べ6991平方メートル。基本設計時より129平方メートル縮小したが、資材価格や人件費の高騰で概算事業費は11億4755万円増の79億7598万円となった。工事は建築主体と電気設備各2件、機械設備3件の計7件に分割し、5月に一般競争入札を予定している。
中央町6の11に立つ現庁舎は、RC造3階建て延べ4971平方メートルの本庁舎とRC造2階建て延べ1624平方メートルの第二庁舎で構成し、いずれも1961年に建設された。施設・設備の老朽化が著しく耐震性も不足し、市役所機能の分散やバリアフリー対応への課題が指摘されていることから建て替える。
新庁舎の基本・実施設計はアトリエブンクが担当。建設地は千歳町3の1の5にある旧陸上競技場などの敷地3万3214平方メートル。 建物は耐震構造を採用し、1階には執務室を中央に置き市民利用が多い窓口を配置するとともに、2層吹き抜けの市民ホールや子育て支援エリア、学習スペース、カフェスペース、会議室など市民が日常利用できる機能を配置する。
2階は市長室などの理事者スペースや執務室、南側に災害対策本部となる会議室、議会関連諸室を配置し、南西側に海を眺められる市民スペースを確保する。
環境面では自然光や通風、太陽光発電などの自然エネルギーを活用した「パッシブ」手法と、高効率の設備機器を活用した「アクティブ」手法を組み合わせることで、消費エネルギー全体を削減し、基準1次エネルギー消費量を75%以上削減する「Nearly ZEB」取得を目指す。
概算事業費は庁舎建設費に58億7778万円(基本設計費7億9677万円増)、外構工事費に9億5496万円(1億8455万円増)、設計・監理・移転費等に10億7523万円(9822万円増)、電波障害対策に6800万円(皆増)を見込む。
今後は4月中にも7件の一般競争入札を公告し、国の交付金決定通知後、5月に開札する予定。6月の議会の承認を経て契約し、7月の着工、26年3月の完成、同9月の開庁を目指す。

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