秋田県、市/太平川内水被害等軽減対策計画に428億円、延長7・4キロ河川改修など

秋田県と秋田市は2023年7月の大雨で大規模な内水被害が発生した1級河川・雄物川水系太平川の流域(秋田市街地)の「内水被害等軽減対策計画」を策定し、4日に制度創設後初となる国土交通省の登録を受けた。全体計画額は428億円で延長7・4キロを対象に被災した河川の改修などに取り組む。対象期間の約10年(24~32年度)で、昨年7月と同程度の降雨による浸水面積を約8割解消する。
「内水被害等軽減対策計画」関連制度は、国交省水管理・国土保全局が内水被害の常襲地域の事前防災でハード・ソフト事業を加速化するため24年度に創設。雨水貯留や土地利用の工夫など流域対策と河川・下水道などの内水対策を一体的に推進する。国が重点配分などで県や市の河川改修や下水道整備を財政支援する。
主な取り組みは▽河川対策=太平川の河川改修(県・360億円)▽下水道対策=雨水幹線、排水ポンプ、フラップゲートの整備(市・66億円)▽ソフト対策=内水浸水想定区域図作成(市・2億円)▽流域対策=特定都市河川の指定、田んぼダムの効果検証、公共施設などを活用した雨水貯留機能がある施設の検討、公共施設の浸水対策の推進-など。
23年11月に雄物川圏域流域治水協議会下流圏域分科会(構成機関に秋田県、秋田市を含む)が策定した「雄物川下流圏域水災害対策プロジェクト」に内容を反映し、さらなる整備を推進する。

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