「批判していた人を見返すというか」仲川輝人の“ゴールパフォーマンスに込められた本心”【FC東京】

2024年4月7日に国立競技場で開催された鹿島とのホームゲーム、FC東京は2-0と今季初の完封勝利を収めた。松木のアーリークロスをヘッドで合わせた仲川は試合後、その先制点を振り返って次のようにコメントしている。

「(松木)玖生のおかげです。アイコンタクトできて、まさかロングパスが来ると思わなかったですけど、準備はしていたので僕が合わせるだけだったと思います」

仲川にとっては久しぶりのゴールだった。正確には、昨年6月のルヴァンカップ・京都戦以来の得点である。

「約1年ぶりのゴール。結果が出ない不甲斐なさ、責任感を感じていたので、この国立でタロウ(荒木)が出られないとか、怪我人がいるとかという状況の中、得点に絡めたのは僕自身もホッとした気分である」

喜びはひとしおだったのだろう。ゴールパフォーマンスにも仲川はたっぷり時間を使った。

「ファン・サポーターの前でしっかりゴールという結果を見せることができたので、その有意義な時間を噛み締めていました」

今回のゴールパフォーマンスで印象的だったのは、耳に手を当てるポーズだった。

「どうだ、と。俺はここにいるぞっていう意味だったり、俺の名前を叫んで欲しかったというのもあるし。自分が結果を出せなくて批判していた人を見返すというか。結果で見返すのがサッカー選手のあるべき姿なので、ああいうパフォーマンスになりました」

そんな本心を明かしてくれた仲川は「やっとチームのベースができていた」という手応えを示したうえで「やっとチームも自分もスタートラインに立てた」と力強く言っていた。この勝利をきっかけにして、上昇気流に乗れるか。松木、荒木らをU-23日本代表の活動で欠く期間中、チーム浮沈の鍵を握るひとりが仲川なのは間違いない。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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