浦和守備にポジティブ評価「非常に良い」 25歳DF躍動、開幕から7戦目で見えた成果

浦和の佐藤瑶大【写真:徳原隆元】

サガン鳥栖戦で快勝、プレッシングが好循環もたらす

浦和レッズは4月7日にJ1第7節でサガン鳥栖と対戦し、3-0の勝利を収めた。前節のFC東京戦で出た課題を改善したプレッシングがチームに良い循環をもたらした。

浦和は前節のFC東京戦の試合中に膝の違和感を訴えた主将のDF酒井宏樹がメンバー外となり、今季に向け湘南ベルマーレから移籍加入したDF石原広教が初スタメンのピッチに立った。試合は立ち上がりに動き前半5分、浦和は左コーナーキックをMF岩尾憲がゴール前に入れると、中央で競り勝ったFWチアゴ・サンタナがヘディングシュートを決めた。FC東京戦では超ロング弾で驚きを与えたストライカーは、3試合連続ゴールで浦和に先制点をもたらした。

そして後半8分、中盤でMFサミュエル・グスタフソンが相手と交錯して倒れるも鳥栖の攻撃が続いたが、今季新加入の25歳DF佐藤瑶大が前に出て相手ボールをカットすると、そのまま背後のスペースに浮き球を供給。そこにFW松尾佑介が走り込むと一気に突破し、GK朴一圭もドリブルでかわしてシュートを決めて追加点を奪った。さらに後半38分にはMF大久保智明が3点目を奪い、試合を決定づけた。

FC東京戦では、代わる代わる中盤に降りてボールを受けるFW荒木遼太郎とMF松木玖生までセンターバックが押し上げることができず、プレスを回避された。ペア・マティアス・ヘグモ監督は記者会見で「前線でのプレスがハッキリしていれば、センターバックも状況を読みやすくなる。そうなると自分のゾーンに入っている相手に強くいくことができる。1人が強く行っている時に回りもカバーできる、4バックが非常に良いゾーンディフェンスをしてくれた。戦術的な視点で見ても、前線からのプレスが良くなればうしろが読みやすくなる」と前節から改善した部分を評価した。

そのプレッシングはFC東京戦の課題としてチーム内で共有されたものだという。MF岩尾憲は「剥がされたあとに戻すことと、プレスにいった時にコンパクトにしてセンターバックが勇気を持って潰しにいくところの2つの課題が映像を交えてあった。プレスにいく人も、付いていくセンターバックも非常に勇敢にトライしたのではないか」と話した。

前に合わせて押し出す守備に新加入DF佐藤が手応え

また、MFサミュエル・グスタフソンは「前とうしろのシンクロが良かったと思う。プレッシングはタイミングなど連係が大事になる」として、2点目の場面について「瑶大から素晴らしいボールが出たと思う。今日はうしろから出ていく勇気を証明してくれたと思う。背後に出すだけではなく、前に出てボールを奪うことで何回も攻撃につなげてくれた」と話した。

その佐藤は、こうした相手の攻撃を迎撃する動きについて「前回の反省を生かせたと思う。どこまで行くかはさすがに決めるべきだと思うけど、迷ったら今回は行ってみようと思った。入れ替わっても下がれる距離があるので、行ってみて良かったと思う」と、手応えを話した。

昨季にJ1最少失点だった浦和の原動力は自陣での強固なブロックだったが、それが攻撃力の減退につながった側面もあった。今季はモデルチェンジのニュアンスが強いシーズンになっているが、うしろに合わせて下がるのではなく前に合わせて押し出す守備という点で、1つの成果を感じられるゲームになったと言えそうだ。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

© 株式会社Creative2