調子を落とすニックスの“救世主”アヌノビーをブランソン&シボドーHCが称賛「すべてをうまくやってくれる」<DUNKSHOOT>

現地時間4月5日(日本時間6日、日付は以下同)、ニューヨーク・ニックスは敵地ユナイテッド・センターでシカゴ・ブルズ戦に臨むも、ジャボンテ・グリーンに25得点、13リバウンド、アヨ・ドスンムに24得点、6リバウンド、5アシスト、デマー・デローザンに20得点、10アシストを許し、一度もリードを奪えずに100-108の完敗を喫した。

直近5戦で1勝4敗と調子を落としているニックス。この試合ではジェイレン・ブランソンがゲームハイの35得点、11アシストに6リバウンド、2スティール、マイルズ・マクブライドが19得点、7リバウンドと奮戦するも敗れ、翌6日を終えて今季成績をイースタン・カンファレンス5位の45勝32敗(勝率58.4%)としている。

チームは右肩脱臼から復帰を目指してリハビリを続けてきたジュリアス・ランドルが手術を余儀なくされたことで、今季残り試合を全休すると4日に発表。今季平均24.0点、9.2リバウンド、5.0アシストをマークしていたオールスターフォワードを失い、ベストメンバーでプレーオフを戦うことができなくなってしまった。
そうしたなか、このブルズ戦で頼もしい男がコートへ帰ってきた。昨年12月30日のトレードでトロント・ラプターズから移籍してきたOG・アヌノビーが、右ヒジのケガから復帰。28分41秒プレーしてフィールドゴール成功率62.5%(5/8)を記録し、12得点に1リバウンド、2スティールをマークした。

現在、ニックスはイースト4位のオーランド・マジック(45勝32敗/勝率58.4%)とはゲーム差なし、3位のクリーブランド・キャバリアーズ(46勝32敗/勝率59.0%)とも0.5ゲーム差という好位置にいる一方、6位のインディアナ・ペイサーズ(44勝34敗/勝率56.4%)と1.5ゲーム差、7位のマイアミ・ヒート(43勝34敗/勝率55.8%)と2.0ゲーム差、8位のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ(43勝35敗/勝率55.1%)とも2.5ゲーム差しか離れておらず、アヌノビーは試合後に「みんながもっとアグレッシブになっていくと思う」と気を引き締めていた。
とはいえ、ここからニックスがポストシーズンに向けてギアを上げていくうえで、攻守万能なツーウェイプレーヤーが復帰したことは間違いなく朗報。アヌノビー、ランドル不在の期間にトップスコアラーとなって奮戦を続けてきたブランソンはこう話す。

「彼が健康になって戻ってくれて嬉しいね。確かに、僕らは勝てなかったから、今の僕の判断力は鈍っているかもしれない。けど、健康体の彼がコートに立てたことがとにかく嬉しいよ」
また、アヌノビーについてトム・シボドーHC(ヘッドコーチ)は、試合前にこう評していた。

「長さのあるウイングディフェンダーで、オフェンスでは万能性を持ち、シュート力もあるしオフボールムーブもある。彼は複数のポジションをガードでき、オフェンスでもいろいろなポジションをこなせる。すべてのことをうまくやってくれるんだ」

2シーズン連続のプレーオフ進出を目指すニックスにおいて、アヌノビーのカムバックがどこまで追い風になるか必見だ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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