小池百合子都知事の3選出馬が濃厚に 圧倒的勝利目指し公約は〝江戸を世界遺産に〟か

小池百合子都知事

3つの衆院補選が16日告示、28日投開票の日程で行われ、結果によって岸田政権の命運が決まる。注目された小池百合子東京都知事の国政復帰はひとまずお預けとなったが、7月には都知事選があり、このまま3期目を目指して小池氏が出馬する可能性が高くなった。その際の公約には〝江戸を世界遺産に〟となるかもしれないという。

東京15区、島根1区、長崎3区の3選挙区で補選が行われる。裏金問題で自民党に逆風が吹いている最中で、長崎3区において自民党は不戦敗を選択。東京15区でも自民党は独自候補擁立をあきらめて、都民ファーストの会が国政進出のために設立したファーストの会副代表となった作家の乙武洋匡氏に相乗りする予定だ。

乙武氏擁立は小池氏が最終的に口説いたという。これまで小池氏が東京15区に出馬する国政復帰説が永田町で流れていたが、これでそのシナリオはなくなった。

今後の小池氏はどのような選択をするのか。ある都議は「3月の『都政新報』で東京都庁が江戸文化を世界遺産に登録することを目指すために検討チームを作ると報じられています。プロジェクトの規模は大きいでしょう。タイミングを考えると知事選の公約になっても不思議じゃないですよ」と明かした。都政新報とは都政を中心とした東京都内の自治体専門紙だ。

都政関係者も「小池氏は東京や江戸を世界に発信して売り出すことを意識してやってきた知事です。江戸から続く東京の魅力発信についての会合を頻繁に開き、識者や芸能人を呼んで意見を聞いていました。そういう意味では〝江戸を世界遺産に〟というのは小池氏らしいものではあります」と指摘した。

日本に世界遺産は現在、25か所ある。法隆寺や姫路城といった建造物から、屋久島や白神山地などの自然が選ばれている。世界遺産は不動産である必要があり、例えば1994年に登録された「古都京都の文化財」は清水寺、二条城などから構成され、98年登録の「古都奈良の文化財」は東大寺、唐招提寺などが含まれている。江戸の場合も江戸城跡や江戸から残る建造物などを中心として、江戸の文化や伝統を関連付けるものとなりそうだ。

前出の都議は「小池氏が3期目に出馬するならただ当選するのではなく、圧倒的な勝利を目指すでしょう。圧勝することで自分の価値を高めるのです。そうすれば将来的な国政復帰の目も残ることになります」と指摘。キャッチーな公約があれば心強いというわけだ。

もっとも小池氏周辺は「〝江戸を世界遺産に〟を公約にするかどうかは分からない話ですね。そもそも都知事選に出馬するかしないかも決まっていません」と慎重な姿勢を崩さない。

乙武氏を擁立した小池氏の次の一手はどんなものになるのか。

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