「ものすごくしんどかった」藤野あおばが語る“北朝鮮戦の知られざる真実”

パリ五輪のアジア最終予選、サウジアラビアでの北朝鮮戦をスコアレスドローで乗り切ったなでしこジャパンは続くホームゲームを2-1で制して本大会出場を決めた。

ひとつ課題に映ったのは藤野あおばのゴールで2-0となった77分以降の試合運びだ。81分に隙を突かれて1点を返され、厳しい戦いを余儀なくされたからである。

実際、なでしこジャパンの一員としてスタメン出場した藤野は1点差にされてからの時間帯について次のように語っている。

「ものすごくしんどかった。身体的にも。なんていうか、疲労がどっと出たというか、でも走らなきゃいけないし…。少しの気の緩みが失点に繋がるのは今までサッカーをやってきて感じているので、もう無我夢中でしたね」

ピッチの外からは分からない、“北朝鮮戦の知られざる真実”と言えるだろう。追い込まれていたからこそ、2-1のまま終了のホイッスルを聞いたとき、藤野は「嬉しかったというよりも、ホッとしました」。

「終わって、周りを見た時に(熊谷)紗希さんなんかが涙を流して喜んでいたりして。(その姿を見て)改めて女子サッカーの分岐点となる試合、重要なゲームだったということを感じました。だから、なおさら嬉しかったです」

この経験が、藤野を成長させるファクターになるのは間違いない。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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